ぐう‐ごう【偶合】
[名](スル)偶然に一致すること。「夢の夢なる一本百合の此の在る事、畢竟(ひっきょう)—に過ぎずとは謂え」〈紅葉・金色夜叉〉
ぐんだり‐みょうおう【軍荼利明王】
五大明王の一。南方に配される。ふつう一面三目八臂(はっぴ)で武器を持ち、憤怒(ふんぬ)の相をなし、蛇を瓔珞(ようらく)とする姿に表される。軍荼利夜叉明王。軍荼利夜叉。軍荼利。
げいなし‐ざる【芸無し猿】
芸のない者をあざけっていう語。「那奴(あいつ)も能(よ)く能くの—に出来て居るんだ」〈紅葉・金色夜叉〉
げき‐とう【激盪】
[名](スル)はげしくゆれること。また、はげしく動かすこと。「谿急に激折して、水之が為に鼓怒し、咆哮し、噴薄—して、奔馬の乱れ競うが如し」〈紅葉・金色夜叉〉
外面(げめん)似菩薩(じぼさつ)内心(ないしん)如夜叉(にょやしゃ)
顔は菩薩のように優しいが、心は夜叉のように険悪で恐ろしいの意。女性が仏道の修行の妨げになることをいった言葉。外面如菩薩(にょぼさつ)内面如夜叉。
げん‐だん【厳談】
[名](スル)きびしい態度でかけあうこと。「曠(ぬか)らず—せよと代理を命ぜられて」〈紅葉・金色夜叉〉
こい‐かぜ【恋風】
恋心のせつなさを、風が身に染みるのにたとえていう語。「冬の夜の—ぞっと身に染て」〈魯文・高橋阿伝夜叉譚〉
こく【轂】
車のこしき。車轂。「—相撃ちては砕けぬべきをも覚えざるは」〈紅葉・金色夜叉〉
こ‐ちょう【枯腸】
1 飢えてひからびた腹。「人の生ける肉をくらい…逆境に暴(さら)されたりし—を癒やさん」〈紅葉・金色夜叉〉 2 詩情の乏しいこと。
こわ‐ね【声音】
声の調子。こわいろ。「貫一の—は漸く苛立ちぬ」〈紅葉・金色夜叉〉