め【奴】
[接尾]人名または人や動物を表す名詞、代名詞などに付く。 1 人や動物などをののしったり、卑しめたりするときに用いる。「ばか—」「こいつ—」 2 自分や自分に関することを卑下したり謙遜(けんそん...
やっこ【奴】
[名]《「やつこ」の音変化》 1 下僕。しもべ。「生きて再び恋愛の—となり」〈福田英子・妾の半生涯〉 2 江戸時代、武家の中間(ちゅうげん)。頭を撥鬢(ばちびん)に結い、鎌髭(かまひげ)を生や...
やっこ‐あたま【奴頭】
1 江戸時代、奴2などが結った髪形。月代(さかやき)を広く深くそり込み、両方の鬢(びん)と後ろの頂に残した髪とで髷(まげ)を短く結んだもの。 2 江戸時代、幼児の髪置きのとき、左右の耳の上と頭...
やっこ‐おどり【奴踊(り)】
民俗芸能の一。奴2の姿に扮(ふん)し、素手や毛槍・さおを持って踊るもの。歌舞伎舞踊にもある。
やっこ‐ことば【奴詞】
江戸時代、奴2や侠客(きょうかく)が使った言葉。「涙」を「なだ」、「冷たい」を「ひゃっこい」、「事だ」を「こんだ」という類。六方詞(ろっぽうことば)。
やっこ‐さん【奴さん】
[名]折り紙で、奴2の形に折るもの。 俗曲。江戸末期に願人坊主が踊り歌として広め、のちに寄席や花柳界で流行した。踊りを伴うことが多い。 [代]三人称の人代名詞。同等以下の人を軽んじたり、...
やっこ‐しまだ【奴島田】
髷(まげ)の根を高く結った島田髷。江戸中期から明治初期にかけて成人前の女性に流行した。
やっこ‐そう【奴草】
ヤッコソウ科の寄生植物。シイの木の根に寄生し、高さ約7センチで全体に白い。太い肉質の根茎に鱗片(りんぺん)状の葉が十字形に対生し、形が奴凧(やっこだこ)を思わせる。晩秋、白い花が1個咲く。宮崎市...
やっこ‐だこ【奴凧】
凧の一。奴2が両袖を左右に突っ張った姿に作ったもの。《季 春》
やっこどうじょうじ【奴道成寺】
歌舞伎舞踊。長唄・常磐津(ときわず)・富本。本名題「道成寺思恋曲者(どうじょうじこいはくせもの)」。文政12年(1829)江戸中村座初演。「京鹿子(きょうがのこ)娘道成寺」の変形で、狂言師が白拍...