かなた【彼方】
《原題、(フランス)Là-bas》ユイスマンスの長編小説。1891年刊行。悪魔主義を題材としている。
かなた‐こなた【彼方此方】
[代]遠称の指示代名詞。いろいろの場所・方向などをさす。あちらこちら。方々。「見渡す海原の—には三本檣(マスト)の大きな漁船が往来(ゆきき)して居る」〈荷風・ふらんす物語〉
かなたのそら【かなたの空】
川路柳虹の詩集。大正3年(1914)刊。
か‐の【彼の】
[連体]《の一語化》話し手と聞き手双方の既知の事物をさす。あの。例の。「—有名な物語」「—地」 [連語]《代名詞「か」+格助詞「の」》 1 前に述べた事物をさす。あの。その。「めなもみとい...
か‐の‐きし【彼の岸】
「彼岸(ひがん)」を訓読みにした語。涅槃(ねはん)。「いと罪深かなることにこそ。—に到ることなどか。さしもあるまじき事にて」〈源・早蕨〉
か‐の‐さま【彼の様】
[代]三人称の人代名詞。 1 あのおかた。「頼うだる人は、いつも—へ行く折は、酒をくれらるるが」〈狂言記・抜殻〉 2 女性が愛人をさしていう語。「鶏(とり)を限りに—待てば」〈松の葉・一〉
か‐の‐じょ【彼女】
[代]三人称の人代名詞。話し手、相手以外の女性をさす語。「—は遅れるらしい」⇔彼/彼氏。 [名]愛人、恋人である女性。「—ができた」⇔彼/彼氏。 [補説]西欧語からの訳語「かのおんな」の「お...
かのじょのすべて【彼女のすべて】
東郷青児による油絵。大正6年(1917)、第4回二科展に出品。縦横いずれも1メートルを超える作品で、現存する東郷の未来派風の作品の中では最大のもの。鹿児島市立美術館蔵。
か‐の‐も【彼の面】
あちらの表面。向こう側。「つくばねのこのも—に影はあれど君がみかげにます影はなし」〈古今・東歌〉
か‐の‐よ【彼の世】
あの世。来世。「—にさへ(極楽往生ヲ)妨げ聞こゆらむ罪のほどを」〈源・総角〉