しん‐ロマンしゅぎ【新ロマン主義】
19世紀末から20世紀初頭、自然主義・写実主義に対抗してドイツ・オーストリアを中心に興った文芸思潮。芸術至上主義的・耽美主義的・神秘主義的傾向を帯び、主体的・内発的な心情の復権を唱えた。メーテル...
じうた【地唄】
有吉佐和子の短編小説。伝統芸能の世界に生きる父娘の愛憎の絆を描く。昭和31年(1956)、雑誌「新思潮」に発表、文学界新人賞および芥川賞の候補作に選ばれた。
すばる【スバル/昴】
(スバル)文芸雑誌。明治42年(1909)1月創刊、大正2年(1913)12月廃刊。「明星」廃刊後、森鴎外を中心に石川啄木(いしかわたくぼく)・木下杢太郎(きのしたもくたろう)・吉井勇らが発刊...
せいおう‐しゅぎ【西欧主義】
1 19世紀中葉のロシアに興った思潮。スラブ主義に対立し、ロシアの後進性は西欧的な道によって克服すべきであるとした。 2 一般に、西欧文化を崇拝する立場。
せいき‐びょう【世紀病】
一つの時代・社会の爛熟(らんじゅく)期から衰退期にあって、懐疑的な思潮のもとに生まれる反現実的・退廃的な心的状態。フランスを中心とするヨーロッパでは、18世紀末の初期ロマン主義、19世紀末のデカ...
せいき‐まつ【世紀末】
1 19世紀末、ヨーロッパで懐疑的・退廃的な思潮・傾向が広まった時期。「—文学」 2 一般に、世紀の末期。また、一つの社会で、最盛期を過ぎて、退廃的な現象がみられる時期。
たいしょう‐デモクラシー【大正デモクラシー】
大正期に顕著となった民主主義的思潮。都市中間層の政治的自覚を背景に、明治以来の藩閥・官僚政治に反対して護憲運動・普通選挙運動が展開され、吉野作造の民本主義や自由主義・社会主義の思想が高揚した。
たばことあくま【煙草と悪魔】
芥川竜之介の短編小説、および同作を表題作とする作品集。作品は大正5年(1916)11月、雑誌「新思潮」に発表。作品集は「羅生門」に続く第2作品集として、大正6年(1917)10月に刊行。
たんび‐しゅぎ【耽美主義】
美に最上の価値を認め、それを唯一の目的とする、芸術や生活上の立場。19世紀後半、フランス・イギリスを中心に興ったもので、ボードレール・ワイルドなどが代表的。日本では明治末期に森鴎外・上田敏によっ...
だえん‐の‐りろん【楕円の理論】
大平正芳が唱えた政治理念。国や社会は中心が1つの円でなく、2つの焦点2を持つ楕円のような在り方だと安定するとした。保守・革新、タカ派・ハト派など、対立する思潮がともに牽制しつつ共存することで、全...