物(もの)ならず
たいしたことではない。問題ではない。「大の男も—」〈曽我・一〉
ものなれ‐よ・る【物慣れ寄る/物馴れ寄る】
[動ラ四]なれ親しんで近くに寄る。なじむ。「我も人もいとあしかるべきことと思ひ知りて—・ることもなかりけり」〈源・匂宮〉
もの‐の‐ぐ【物の具】
1 道具。調度品。「—をだにとらず、深くかくれにけり」〈宇治拾遺・九〉 2 武具。兵具。特に鎧(よろい)をいう。また、武者がそれを身につけること。「我とおもはん者共は皆—して馳せ参れ」〈平家・二...
もののべ【物部】
上代の氏族の一。姓(かばね)は連(むらじ)で、大伴氏とともに大和朝廷の軍事・警察をつかさどった大豪族。6世紀後半、仏教受容をめぐって蘇我氏と対立し、守屋が蘇我馬子と戦って敗死、一時衰えたが、奈良...
もの‐もう・す【物申す】
[動サ五(四)]《古くは「ものまをす」。「物言う」の謙譲語》 1 要求や反対意見などを言う。注文をつける。「役所に—・す」「若者に—・す」 2 ことばに出して申し上げる。「うちわたすをちかた人に...
ものゆえ
[接助]《形式名詞「もの」+形式名詞「ゆえ」から》活用語の連体形に付く。 1 理由・原因を表す。…だから。…ので。「どうしても行かれぬ—、よろしく伝えていただきたい」「悔しきことやうやうまさりゆ...
も‐ひき【裳引き】
《「もびき」とも》裳の裾をひきずること。「いかならむ日の時にかも我妹子(わぎもこ)が—の姿朝に日(け)に見む」〈万・二八九七〉
もも‐え【百枝】
たくさんの枝。「いかといかとある我がやどに—さし生(お)ふる橘(たちばな)」〈万・一五〇七〉
もも‐え【百重】
数多く重なり合うこと。いく重にも重なっていること。「我(あ)が恋は夜昼別(わ)かず—なす心し思へばいたもすべなし」〈万・二九〇二〉
もも‐はがき【百羽掻き】
鴫(しぎ)がくちばしでいく度も羽をかくこと。また、物事の回数の多いことのたとえ。「あかつきのしぎの羽掻き—君が来ぬ夜は我ぞかずかく」〈古今・恋五〉