かき‐け・す【掻き消す】
[動サ五(四)] 1 すっかり消す。「爆音に話し声も—・されてしまう」 2 跡形もなく見えなくする。「人ごみの中に—・すように見えなくなった」
かき‐け・つ【掻き消つ】
[動タ四]「かきけす2」に同じ。「今より後も、忍びて来(きた)るべしとて、—・つやうにうせにけり」〈曽我・五〉
かき‐こ・す【掻き越す】
[動サ四]後ろに垂れている髪を前方へ振りやる。「単衣に袴ばかりを着て、髪—・しなどするに」〈狭衣・一〉
かき‐こ・む【掻き込む】
[動マ五(四)] 1 大急ぎで食べる。飯をかき寄せて口の中に放り込むようにして食べる。かっこむ。「御飯を—・んで飛び出す」 2 「かいこむ(掻い込む)1」に同じ。
かき‐こも・る【掻き籠もる】
[動ラ四]ひきこもる。とじこもる。「参りそめし所にもかく—・りぬるを」〈更級〉
かき‐こわ・す【掻き壊す】
[動サ五(四)]皮膚をひっかいて傷にする。「—・した跡が化膿する」
かき‐さぐ・る【掻き探る】
[動ラ四]手探りでさがし求める。「夢の逢ひは苦しかりけり驚きて—・れども手にも触れねば」〈万・七四一〉
かきさげ‐びん【掻き下げ鬢】
江戸時代の若い男子の髪の結い方の一。もみあげのところまで鬢をかき下げ、そこから上へ丸くかきあげて結ったもの。
かき‐さば・く【掻き捌く】
[動カ五(四)] 1 切り裂く。かっさばく。「腹を—・き」〈染崎延房・近世紀聞〉 2 かきまわして散らかす。「誰か留守に入って—・いたらしいので」〈風葉・青春〉
かき‐さら・う【掻き攫う】
[動ワ五(ハ四)]急に横から奪い取る。かっさらう。「有がとうございますと—・って行くうしろ姿」〈一葉・にごりえ〉