年(とし)有(あ)・り
1 稲が豊作である。「—・れば秋の雲なすいな筵かりしく民のたたぬ日ぞなき」〈新勅撰・賀〉 2 年月が経過する。「予、此の人を教ふる事—・り」〈去来抄・同門評〉
とし‐おとこ【年男】
1 その年の干支(えと)に当たる男性。節分の豆まき役となる。 2 一家を代表して正月の行事を取りしきる役目の男性。若水をくんだり、年神の供物をととのえたりする。普通はその家の主人があたる。せちお...
とし‐ぎり【年切り】
1 年によって、樹木の実がならないこと。幸運にあわないことのたとえ。としぎれ。「今までになどかは花の咲かずして四十年(よそとせ)あまり—はする」〈後撰・雑一〉 2 あることのために年数を限ること...
年(とし)の余(あま)り
陰暦で、閏月(うるうづき)のあること。「この月の—に足らざらば鶯ははや鳴きぞしなまし」〈後撰・冬〉
とも‐かがみ【共鏡/友鏡】
1 「合わせ鏡」に同じ。 2 二つのものを照らし合わせること。「黒髪と雪との中のうき見れば—をもつらしとぞ思ふ」〈後撰・冬〉
なお‐しも【猶しも】
[副]《「しも」は強めを表す助詞》ますます。いっそう。「吉野山—奥に花さかば又あくがるる身とやなりなん」〈新勅撰・恋五〉
なか‐の‐とおか【中の十日】
1 その月の、中旬の10日間。「野の盛りは八月—」〈宇津保・吹上下〉 2 中旬の10日目。20日。「文治三(みつ)の歳の秋長月の—に撰び奉りぬるになむありける」〈千載・序〉
ながら‐やま【長等山】
滋賀県大津市の三井寺の後ろの山。[歌枕]「世の中をいとひがてらに来しかども憂き身ながらの山にぞありける」〈後撰・雑三〉
なき‐かえ・る【泣き返る】
[動ラ四]激しく泣く。泣き入る。「雲路をも知らぬ我さへもろ声に今日ばかりとぞ—・りぬる」〈後撰・雑四〉
なき‐な【無き名】
[連語]身に覚えのないうわさ。ぬれぎぬ。「—ぞと人には言ひてありぬべし心の問はばいかが答へむ」〈後撰・恋三〉