いま‐まいり【今参り】
御所や大名家などに仕えはじめたばかりであること。また、その人。新参者。「あれは—か、などわらはせ給ひて」〈枕・一四三〉 [補説]狂言の曲名別項。→今参
いめ‐たてて【射目立てて】
[枕]射目を立てて獲物の足跡を調べる意から、「跡見(とみ)」にかかる。「—跡見の岡辺のなでしこが花」〈万・一五四九〉
いも‐が‐きる【妹が着る】
[枕]妹(いも)がかぶる御笠(みかさ)の意から、「三笠(みかさ)」にかかる。「—三笠の山に隠(こも)りてありけり」〈万・九八七〉
いも‐が‐そで【妹が袖】
[枕]妹(いも)の袖を巻く意から、「巻来(まきき)」にかかる。「—巻来の山の朝露に」〈万・二一八七〉
いも‐せ【妹背/妹兄】
1 夫婦。夫婦の仲。「枕を並べし—も、雲居のよそにぞなりはつる」〈平家・灌頂〉 2 兄と妹。姉と弟。「戯れ給ふさま、いとをかしき—と見給へり」〈源・末摘花〉
いもせ‐やま【妹背山】
和歌山県北部、かつらぎ町を流れる紀ノ川の北岸の背山と南岸の妹山。鉢伏(はちぶせ)山と長者屋敷のこと。[歌枕]「後れ居て恋ひつつあらずは紀伊国の妹背の山にあらましものを」〈万・五四四〉
奈良県...
いも‐に‐こい【妹に恋ひ】
[枕]妹(いも)を恋い、我(あ)が待つ意から、「あがの松原」にかかる。「—吾(あが)の松原見渡せば」〈万・一〇三〇〉
い‐や【弥】
[副]《程度がはなはだしいさまを表す副詞「や」に接頭語「い」の付いたもの》 1 いよいよ。ますます。「明治の御代も—栄えて」〈独歩・あの時分〉 「去年(こぞ)見てし秋の月夜(つくよ)は渡れども相...
いゆしし‐の【射ゆ獣の】
[枕]射られて傷を負った獣の意から、「心を痛み」「行き死ぬ」にかかる。「闇夜なす思ひ迷(まと)はひ—心を痛み」〈万・一八〇四〉 「—行きも死なむと思へども」〈万・三三四四〉
い‐よ・る【居寄る】
[動ラ四]座ったまま近くに寄る。にじり寄る。「久しう会はざりつる人の詣で会ひたる、めづらしがりて近う—・り」〈枕・三三〉