おお‐のか
[形動ナリ] 1 度が過ぎて大きいさま。大がかりなさま。大規模。「草のうち返りたる。さる—なるものは、所せくやあらんと思ひしに」〈枕・九七〉 2 音色などが豊かでゆったりしているさま。「—なるも...
おおはら【大原】
京都市左京区の地名。比叡(ひえい)山の北西麓に位置し、三千院・寂光院などがある。大原女(おはらめ)の風俗が残る。柴漬けの産地。おはら。
奈良県高市(たかいち)郡明日香(あすか)村小原(おはら...
おおぶね‐の【大船の】
[枕] 1 船の泊まる所の意から、「津」「渡り」にかかる。「—津守(つもり)が占(うら)に告(の)らむとは」〈万・一〇九〉 2 大船のゆったりとしたさま、または、揺れ動くところから、「ゆた」「ゆ...
おおやけ‐どころ【公所】
1 朝廷。官庁。また、宮中。「—に入りたちする男、家の子などは」〈枕・二六八〉 2 朝廷の所有地。官有地。「(宇治院ハ)—なれど、人もなく、心安きを」〈源・手習〉
おおやけ‐はらだ・つ【公腹立つ】
[動タ四]自分の利害からではなく、公の立場から腹を立てる。他人事ながら腹が立つ。義憤を覚える。「らうたげにうち歎きてゐたるを、見捨てて行きなどするは、あさましう—・ちて」〈枕・二六八〉
おおやけ‐わたくし【公私】
1 公に関することと私に関すること。こうし。「左の大臣も、—、引きかへたる世の有様に」〈源・賢木〉 2 朝廷と民間。朝野。「かくて今は御禊、大嘗会など、—の大きなる事におぼし騒ぐに」〈栄花・日蔭...
おおよど【大淀】
大阪市の旧区名。平成元年(1989)北区に合併。
三重県多気郡明和町大淀(おいず)の古名。北側の浜を大淀の浦といった。[歌枕]「—の浜のまさごを君が代の数にとれとや浪も寄すらん」〈風雅・賀〉
おかし
平安時代、「もののあわれ」と並ぶ美的理念の一。枕草子の主調美で、知的興味をそそられる感覚的、直観的な明るい情趣。室町時代以降は、こっけいの意で用いられ、狂言・俳諧・狂歌などの笑いの文学の底流とな...
おき‐つ‐しまやま【沖つ島山】
滋賀県の琵琶湖にある沖島(おきのしま)の古称。[歌枕]「近江(あふみ)の海—奥まけてわが思ふ妹が言の繁けく」〈万・二四三九〉
おき‐つ‐とり【沖つ鳥】
[枕] 1 沖にいる水鳥の意から「鴨(かも)」にかかる。「—鴨といふ舟の帰り来ば」〈万・三八六六〉 2 沖にいる水鳥「䳑鴨(あじがも)」と同音であるところから、地名の「味経(あぢふ)」にかかる。...