いっせき‐わ【一夕話】
ある晩語られた話。「唄の節につい誘われて浮気ものになった事があると語った彼女の—からであった」〈荷風・見果てぬ夢〉
いっ‐てん【一天】
1 空一面。空全体。「—にわかにかき曇る」 2 《「一天下」の略》全国。全世界。「今年の春滅ぼし果てて—をしづめ」〈平家・一二〉
いや‐はて【弥終】
いちばんの果て。最終。最後。「句聖(くひじり)の死をなげきつつ—のしら梅の句をすがしむわれは」〈吉井勇・玄冬〉
色(いろ)改(あらた)ま・る
喪が明けて、喪服からふだんの衣服に着替える。「宮の御果ても過ぎぬれば、世の中—・りて」〈源・少女〉
うかり‐ひょん
[副]気づかずぼんやりしているさま。うかうかと。うっかりひょん。「いかひ愚痴(たはけ)のなれの果て—とぞ見えにける」〈松の葉・三〉
う‐がい【有涯】
《「有界(うかい)」から》限りある存在。果てのあるもの。この世。人の一生についてもいう。「無常は春の花、風に随って散りやすく、—は秋の月、雲に伴って隠れやすし」〈平家・灌頂〉
歌(うた)にばかり歌(うた)・う
いつも口で言っているだけで実行しないこと。「便りもなく、踊りを見にと、—・うて果てぬ」〈浮・諸国ばなし・三〉
うち‐なお・す【打(ち)直す】
[動サ五(四)] 1 改めてもう一度打つ。「タイプを—・す」 2 打ったりたたいたりして、もとのようにする。うちかえす。「布団の綿を—・す」 3 もとのようにきちんと直す。「詠果てて袖—・し給へ...
うつつ‐ごころ【現心】
1 《夢うつつの心の意から》夢見るような気持ち。うつろな心。「はや七分の正気を失って、何(どこ)が何(なに)やら一向—で」〈紅葉・二人女房〉 2 しっかりした気持ち。正気。「肝魂も消え果て—なし...
うな‐さか【海境/海坂/海界】
海神の国と人の国とを隔てると信じられていた境界。海のさかい。海の果て。「即ち—を塞(さ)へて返り入りましき」〈記・上〉