うた‐まくら【歌枕】
1 和歌に多く詠み込まれる名所・旧跡。 2 和歌に詠み込まれる特殊な語や句。名所・枕詞・序詞など。 3 歌を詠むのに典拠とすべき枕詞・名所などを記した書物。「能因歌枕」など。 [補説]書名別項。→歌枕
うだ【宇多】
京都市右京区宇多野付近の地。平安時代以降は禁裏御料の狩猟地。[歌枕]「今日暮れぬ明日も狩り来む—の原枯れ野の下にきぎす鳴くなり」〈秋篠月清集〉
うだ【宇陀】
奈良県北東部にある市。大和高原に位置し山林が豊か。平成18年(2006)1月、大宇陀町・菟田野(うたの)町・榛原町・室生村が合併して成立。人口3.4万(2010)。 奈良県北東地域の称。大和...
うちで‐の‐はま【打出浜】
滋賀県大津市松本町付近の琵琶湖岸の名称。うちいでのはま。[歌枕]「近江なる—のうちいでつつ怨みやせまし人の心を」〈拾遺・恋五〉
うち‐の‐おおの【宇智の大野/内の大野】
奈良県五條市の吉野川沿いにあった野。古代の猟地。宇智の野。[歌枕]「たまきはる—に馬並(な)めて朝踏ますらむその草深野」〈万・四〉
うつ‐の‐やま【宇津の山】
静岡市宇津ノ谷と藤枝市岡部町岡部とにまたがる山。南側に宇津ノ谷峠がある。[歌枕]「—うつつかなしき道絶えて夢に都の人は忘れず」〈秋篠月清集〉
うど‐はま【有度浜】
静岡市有土山南麓の海岸。[歌枕]「年ふれば駿河なるてふ—のうとくのみなどなりまさるらむ」〈古今六帖・二〉
うねび‐やま【畝傍山】
橿原市北西部にある山。標高199メートル。耳成山(みみなしやま)・天香具山(あまのかぐやま)とともに大和三山という。[歌枕]「大空に雁ぞなくなる—御垣原(みかきがはら)にもみぢしぬらし」〈夫木・一五〉
うめづ‐がわ【梅津川】
京都市右京区梅津近辺での桂川の称。[歌枕]「名のみして生(な)れるも見えず—井堰(ゐせき)の水ももればなりけり」〈拾遺・雑下〉
うやむや‐の‐せき【有耶無耶の関】
山形・宮城両県境の笹谷峠にあった関所。むやむやの関。もやもやの関。[歌枕]「たのめこし人の心は通ふとや問ひてもみばや—」〈土御門院集〉 山形・秋田両県境の三崎峠にあった関所。