わが‐おおきみ【我が大君】
その時代の天皇を敬っていう語。今上(きんじょう)天皇。わごおおきみ。「高光る日の御子やすみしし—」〈記・中・歌謡〉
わき‐づき【脇几】
ひじをもたせかけ、からだを楽にさせる道具。脇息の類。「い倚(よ)り立たす—が下の板にもが」〈記・下・歌謡〉
わぎえ【我家】
《「わがいえ」の音変化》自分の家。わがや。「愛(は)しけやし—の方よ雲居立ち来も」〈記・中・歌謡〉
わぎも‐こ【吾妹子】
《「わきもこ」とも》「わぎも」に同じ。「梯立(はしたて)の嶮(さが)しき山も—と二人越ゆれば安席(やすむしろ)かも」〈仁徳紀・歌謡〉
わざ‐うた【童謡/謡歌】
上代歌謡の一種。社会的、政治的な風刺や予言を裏に含んだ、作者不明のはやり歌。神が人、特に子供の口を借りて歌わせるものと考えられていた。
わし
[感]歌謡の囃子詞(はやしことば)。よいしょ。「梯(はし)立の熊来酒屋にまぬらる奴(やっこ)—」〈万・三八七九〉
わし・す【走す】
[動サ下二]走らせる。「あしひきの山田を作り山高み下樋(したび)を—・せ」〈記・下・歌謡〉
わしり‐で【走り出】
家の門から走り出た所。門口。はしりで。「隠国(こもりく)の泊瀬(はつせ)の山は出で立ちのよろしき山—のよろしき山の」〈雄略紀・歌謡〉
わ‐どり【我鳥】
自分のものである鳥。自分の思うままになる鳥。「今こそは—にあらめ後は汝鳥(などり)にあらむを」〈記・上・歌謡〉