こち‐の‐ひと【此方の人】
[代] 1 三人称の人代名詞。妻が夫をさしていう語。うちの人。「—が京からの帰りを待って」〈浄・宵庚申〉 2 二人称の人代名詞。妻が夫に向かっていう語。あなた。「—、—と呼び起こしければ」〈浮・...
こち‐ら【此方】
[代] 1 近称の指示代名詞。 ㋐話し手に近い方向をさす。「—を向いてください」 ㋑話し手のいる、またはその方向にある場所をさす。「—に来てからもう三年になる」 ㋒話し手の近くにある物をさす。「...
こっ‐ち【此方】
《「こち」の音変化》 [代] 1 近称の指示代名詞。聞き手よりも話し手の方に近い場所やそこにある物、または、その方向をさす。「—の水は甘いぞ」「—が大きい」「足音が—へ近づいてくる」 2 一人...
こっち‐とら【此方人等】
[代]一人称の人代名詞。複数にも単数にも用いる。われわれ。われ。こちとら。「大事にしてもらわれれば、—も奥山へ行くけえど」〈鴎外・ヰタ‐セクスアリス〉
こっち‐の‐もの【此方の物】
1 自分の思うままとなるもの。「接戦も、ここまでくればもう—だ」 2 この世のもの。「此の頃は幽霊じみ、どうで—とは思はれぬ」〈洒・廓の桜〉
こ‐な【此な】
[連体]《「ここな」の音変化》ここにいる。ここの。この。人を表す体言の上につけて、相手を軽視したり、親しさを表したりする。「—強力(がうりき)め、何とて通り居らぬぞ」〈伎・勧進帳〉
こないだ【此間】
《「このあいだ」の音変化》 1 先日。先ごろ。副詞的にも用いる。「—はお世話になりました」「—会ったばかり」 2 近ごろ。最近。「—は薩張(さっぱり)お見限りですネ」〈二葉亭・浮雲〉
こないだ‐じゅう【此間中】
先ごろのいく日かの間。こないだうち。「—探していた本」
こな‐さま【此方様】
[代]《「こなたさま」の音変化》二人称の人代名詞。あなたさま。おまえさま。女性が相手を敬い、または親しんで呼ぶのに用いる。「—の評判いろいろに聞いた故」〈浄・曽根崎〉
こな‐さん【此方様】
[代]二人称の人代名詞。「こなさま」のくだけた言い方。あんた。おまえさん。「—の孝行の道さへ立てば、わしも心は残らぬと」〈浄・宵庚申〉