気色(けしき)あ・り
1 一風変わっていて趣がある。「式部が所にぞ、—・ることはあらむ」〈源・帚木〉 2 普通でない。あやしげである。「これは盗人の家なり、あるじの女、—・る事をしてなむありける」〈更級〉
気色(けしき)覚(おぼ)・ゆ
1 趣があると感じる。「言葉のほかに、あはれに—・ゆるはなし」〈徒然・一四〉 2 気味悪く感じる。いやな気がする。「かく人がちなるにだに、—・ゆ」〈大鏡・道長上〉
気色(けしき)賜(たまわ)・る
相手の意向を伺う。意中をうけたまわる。「摂政殿、御—・りて、まづこの女御、后に据ゑ奉らむの騒ぎを」〈栄花・さまざまの喜び〉
けしき‐だ・つ【気色立つ】
[動タ五(四)] 1 物音や話し声がして活気づく。「むこうで人々の—・つのが聞こえた」〈志賀・和解〉 2 それらしいようすが現れる。きざしが見える。「初時雨いつしかと—・つに」〈源・賢木〉 3 ...
けしき‐づ・く【気色付く】
[動カ四] 1 そのような気配が感じられる。きざしが現れる。「風などは吹くも、—・きてこそあれ」〈源・須磨〉 2 一風変わっている。「いとおほどかに女しきものから、—・きてぞおはするや」〈源・野分〉
けしき‐ど・る【気色取る】
[動ラ四] 1 ようすを見てとる。感づく。察する。「程経にければ、この女ども—・りて」〈平中・二八〉 2 機嫌をとる。「追従し—・りつつ従ふほどは」〈源・少女〉
けしき‐ばかり【気色許り】
[連語]しるしばかり。ほんの形だけ。「琵琶をうち置きて、ただ—弾きかけて」〈源・若菜下〉
けしき‐ば・む【気色ばむ】
[動マ五(四)] 1 怒ったようすを表情に現す。むっとして顔色を変える。「—・んで席を立つ」 2 それらしいようすが現れる。 ㋐花が咲きそうになる。「梅の花のわづかに—・みはじめて」〈源・幻〉 ...
け‐すさま・じ【気凄まじ】
[形シク]興ざめである。おもしろみがない。「こと人のやうに、歌うたひ興じなどもせず、—・じ」〈枕・四九〉
けせん‐がわ【気仙川】
岩手県南東部の川。気仙郡住田町と陸前高田市を流れ広田湾で太平洋に注ぐ。長さ43キロ。清流で釣りが盛ん。河口に高田松原がある。