こぎ‐あみ【漕ぎ網】
船を漕ぎ進めながら、底網などを引いて魚介を捕獲する小規模な引き網。
こぎ‐あり・く【漕ぎ歩く】
[動カ四]あちらこちらと、舟を漕いで回る。「いみじう小さきに乗りて—・く」〈枕・三〇六〉
こぎ‐い・ず【漕ぎ出づ】
[動ダ下二]舟で漕ぎ出る。「熟田津(にきたつ)に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は—・でな」〈万・八〉
こぎ‐かえ・る【漕ぎ帰る】
[動ラ四]舟を漕いでもとの所にもどる。「沖つ波辺波な越しそ君が舟—・り来て津に泊(は)つるまで」〈万・四二四六〉
こぎ‐かく・る【漕ぎ隠る】
[動ラ四]漕ぎ進む舟が物陰に入って見えなくなる。「四極山(しはつやま)うち越え見れば笠縫(かさぬひ)の島—・る棚なし小舟」〈万・二七二〉
こぎ・ず【漕ぎ出】
[動ダ下二]「こぎいず」の音変化。「大舟に真楫(まかぢ)しじ貫き海原を—・でて渡る月人をとこ」〈万・三六一一〉
こぎ‐そ・く【漕ぎ退く】
[動カ下二]舟を漕いで押しのける。「いつしかといぶせかりつる難波潟(なにはがた)葦—・けて御船来にけり」〈土佐〉
こぎ‐た・む【漕ぎ回む】
[動マ上二]舟を漕いでまわる。「いづくにか舟泊(は)てすらむ安礼(あれ)の崎—・み行きし棚なし小舟」〈万・五八〉
こぎ‐たもとお・る【漕ぎ徘徊る】
[動ラ四]あちこちと舟を漕いでまわる。「をふの崎—・りひねもすに見とも飽くべき浦にあらなくに」〈万・四〇三七〉
こぎ‐だ・す【漕ぎ出す】
[動サ五(四)] 1 舟を漕いで出る。「大海原へ—・す」 2 漕ぎ始める。