ぬれ【濡れ】
1 雨などで濡れること。「ずぶ—」「ぐしょ—」 2 色事。情事。恋愛。「かなはぬ—に身を浸し」〈浄・薩摩歌〉 3 愛人。情人。いろ。「間夫(まぶ)を—ととなへて」〈洒・浪花色八卦〉
ぬれ‐いろ【濡れ色】
水に濡れた色。また、そのようなつややかな色。「黒い髪の陰に—をした大きい目を見ながら」〈秋声・仮装人物〉
ぬれ‐えん【濡れ縁】
雨戸の敷居の外側に設けられた雨ざらしの縁側。
ぬれ‐おちば【濡れ落ち葉】
《濡れた落ち葉が地面に貼り付いて取れないさまから》仕事も趣味も仲間もなく、妻に頼りきって離れようとしない定年退職後の男。 [補説]平成元年(1989)ごろの流行語。
ぬれ‐かか・る【濡れ掛(か)る】
[動ラ五(四)] 1 ぬれ始める。また、ぬれそうになる。「—・ったところに出迎えが来た」 2 色事をしかける。「母は御堂へ、娘一人、折柄こそと—・る」〈浮・三代男・一〉
ぬれ‐か・く【濡れ掛く】
[動カ下二]情事をしかける。「—・けて欺して問はんと」〈浄・冥途の飛脚〉
ぬれ‐がみ【濡れ紙】
水に濡れた紙。水に濡らした紙。湿紙。
ぬれ‐がみ【濡れ髪】
濡れてまだ乾かない髪。
濡(ぬ)れ紙(がみ)を剝(は)がすよう
1 物事を静かに取り扱うようすのたとえ。 2 病気が日増しに快方に向かうようすのたとえ。
ぬれ‐ぎぬ【濡れ衣】
1 濡れた衣服。身に覚えのない罪をいうたとえ。「その疑いは—だ」 2 根拠のないうわさ。無実の浮き名。ぬれごろも。「憎からぬ人ゆゑは、—をだに着まほしがる類もあなればにや」〈源・紅葉賀〉