さる‐よう【然る様】
[連語]しかるべき事情。わけ。「—もやとおぼし合はせ給ふに」〈源・若紫〉
さる‐を【然るを】
[接]《動詞「さ(然)り」の連体形+接続助詞「を」から》前に述べた事柄を受けて、それと相反する説明を加える場合に用いる。ところが。そうではあるが。「いとかしこく思ひかはして、異心(ことごころ)な...
され‐ど【然れど】
[接]《動詞「さ(然)り」の已然形+接続助詞「ど」から》前述の事柄を受けて、相反する内容であることを表す。そうではあるが。しかし。「文三は駭然(ぎょっ)としてお勢の顔を目守(みつめ)る。—此方(...
されど‐も【然れども】
[接]「されど」に同じ。「官位俸禄皆身にあまるばかりなり。—人の心のならひなればなほ飽き足らで」〈平家・一〉
され‐ば【然れば】
《動詞「さ(然)り」の已然形+接続助詞「ば」から》 [接] 1 前述の事柄の当然の結果として起こることを表す。そんなわけで。そうであるから。だから。「—賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由て...
されば‐いな【然ればいな】
[連語]《「いな」は終助詞》女性が応答するときの語。そうですとも。さればいの。「—、その文見ると嬉しうて」〈浄・生玉心中〉
されば‐こそ【然ればこそ】
[連語] 1 そうだからこそ。それだから。「—あのとき注意したのだ」 2 予想が的中したときに用いる語。案の定。やっぱり。「—、行綱はまことを言ひけり」〈平家・二〉
然(さ)ればと言(い)って
そうは言うものの。とは言っても。「医療費はかかるが、—放ってはおけない」
されば‐よ【然ればよ】
[連語]思ったとおりだ。案の定だ。それごらん。「あさましくもあるかな。—。思ひ寄らぬことにはあらねど」〈源・少女〉
さん‐ぞうろう【然ん候】
[連語]《連語「さ(然)なり」の連用形に動詞「そうろう」の付いた「さにそうろう」の音変化》かしこまって肯定の返答をするときに用いる。さようでございます。「—。この浦の海人にて候」〈謡・海人〉