りん‐さん【燐酸】
五酸化燐を水で処理して得られる一連の酸の総称。一般にはオルト(正)燐酸をさす。無色の粒状の結晶で、水によく溶け、ふつうは水溶液をいう。強い三塩基酸。加熱によりピロ燐酸、さらにメタ燐酸になる。生体...
りんさん‐アンモニウム【燐酸アンモニウム】
燐酸のアンモニウム塩。正塩は化学式(NH4)3PO4で、水に溶ける無色の結晶。ふつう三水和物。工業上は水素塩も含めていい、燐酸一水素アンモニウム(NH4)2HPO4は広く肥料として用いられ、燐安...
りんさん‐エステル【燐酸エステル】
リン酸とアルコールが結合したエステルの総称。生体内では、細胞膜の主成分であるリン脂質や、生命活動に必要なエネルギーを貯蔵・供給するATP、遺伝情報を司るDNAやRNAなどに含まれ重要な役割を担っ...
りんさん‐えん【燐酸塩】
燐酸の水素を金属あるいは塩基と置換してできる塩。正塩のほか、燐酸水素塩・燐酸二水素塩がある。一般に無色の結晶。 [補説]肥料のほか、食品添加物や合成洗剤などに利用される。
りんさん‐か【燐酸化】
たんぱく質にリン酸基を付加する化学反応。生体内でさまざまなたんぱく質の構造を変化させ機能を調節する役割を果たしている。ホスホリル化。→脱リン酸化 →プロテインキナーゼ
りんさんか‐こうそ【燐酸化酵素】
⇒キナーゼ
りんさんか‐タウたんぱくしつ【燐酸化タウ蛋白質】
リン酸化されたタウたんぱく質。アルツハイマー型認知症の患者の脳には、これが不溶性の凝集体となって神経原線維変化した沈着物が見られる。リン酸化タウ。
りんさん‐カリウム【燐酸カリウム】
燐酸のカリウム塩。無色の結晶。水に溶け、水溶液は強アルカリ性。合成洗剤の製造に用いる。化学式K3PO4 工業上は水素酸を含めていい、燐酸二水素カリウムKH2PO4の単結晶は強誘電体で、圧電素子・...
りんさん‐カルシウム【燐酸カルシウム】
燐酸のカルシウム塩。白色の無定形の物質。天然には燐灰石として産出し、土壌中に分布して植物の肥料となり、動物では骨・歯の主成分をなす。化学式Ca3(PO4)2 広くは水素塩も含み、過燐酸石灰の成分...
りんさん‐き【燐酸基】
-H2PO4で表される一価の基。水酸基を取り除いたリン酸からなる官能基であり、生体内でエネルギーの貯蔵や細胞内の情報伝達などに重要な役割を果たしている。→プロテインキナーゼ