く【狗】
[音]ク(呉) [訓]いぬ 1 イヌ。「狗肉/良狗」 2 卑しいもの。「狗盗/走狗」 [難読]狗母魚(えそ)・狗尾草(えのころぐさ)
くし‐ぶっしょう【狗子仏性】
禅宗の公案の一。狗子(犬のこと)に仏性があるかないかという論議を契機として、有無に対する固定した見方を打破する論。趙州狗子(ちょうしゅうくし)。
く‐とう【狗盗】
《犬のように物を盗む意から》こそどろ。「鶏鳴—」
く‐にく【狗肉】
犬の肉。「羊頭—」
くな‐こく【狗奴国】
⇒くぬこく(狗奴国)
くぬ‐こく【狗奴国】
魏志倭人伝にみえる国名。3世紀ごろ、北の邪馬台国と対立し、男王が支配していた。くなこく。
く‐はい【狗吠】
1 犬がほえること。また、その声。「—夜を警(いまし)めて譙楼(しょうろう)午を報す」〈織田訳・花柳春話〉 2 《「史記」淮陰侯伝から。犬が飼い主以外にはほえるところから》主人にだけ仕えること。
ぐ‐ひん【狗賓】
1 天狗(てんぐ)のこと。「その身は—に五体を裂かれ」〈浄・万年草〉 2 うぬぼれの強いこと。また、そういう人。「人もなげなる振る舞ひ、いやもうきつい—達で」〈洒・神代椙𥄢論〉