あきのいろくさ【秋色種】
長唄。弘化2年(1845)初演。大名の南部利済(なんぶとしなり)が、作曲者を困らせようとして作った歌詞に、10世杵屋六左衛門が曲をつけたものという。
あき‐の‐うなぎつかみ【秋の鰻掴】
ウナギツカミのうち、秋に花が咲くもの。あきのうなぎづる。
あき‐の‐おうぎ【秋の扇】
1 秋になって使わなくなった扇。あきおうぎ。 2 《漢の宮女、班婕妤(はんしょうよ)が君寵を失った自分を秋の扇にたとえて詩を作った故事から》男の愛を失って捨てられた女のたとえ。団雪(だんせつ)の扇。
あき‐の‐か【秋の香】
1 秋をしみじみと感じさせる、菊などの香り。「—漂う文化の日」 2 松茸(まつたけ)の香り。また、松茸。「高松のこの峰も狭(せ)に笠立てて満ち盛(さか)りたる—のよさ」〈万・二二三三〉
あきのきょく【秋の曲】
箏曲(そうきょく)。吉沢検校作曲。安政年間(1854〜1860)に成立。歌詞に古今集の秋の歌6首を使う。古今調子という独特の調弦。→古今組(こきんぐみ)
あき‐の‐きりんそう【秋の麒麟草】
キク科の多年草。日当たりのよい山地に生え、高さ30〜80センチ。葉は細長く、先がとがる。夏の終わりから秋にかけて、黄色の小花が穂状に密生。金花。あわだちそう。
あきのくる‐かた【秋の来る方】
《秋は方角で西にあたり、建物が近衛府の西方にあったところから》右衛門府のこと。
あき‐の‐くれ【秋の暮れ】
1 秋の夕暮れ。秋の夕べ。《季 秋》「枯枝に烏のとまりたるや—/芭蕉」 2 秋の末ごろ。晩秋。
あき‐の‐こえ【秋の声】
もの寂しい秋を感じさせる風雨・木の葉・砧(きぬた)などの音。秋声(しゅうせい)。《季 秋》「帛(きぬ)を裂く琵琶の流れや—/蕪村」
秋(あき)の鹿(しか)は笛(ふえ)に寄(よ)る
《発情期である秋の鹿は鹿笛にもすぐに近寄ってくるところから》弱点につけ込まれて利用されやすいことのたとえ。