うつ【全/空/虚】
[接頭] 1 (全)名詞に付いて、すっかり、全く、全部の意を表す。「皮を—はぎに剝(は)ぎて」〈記・上〉 2 (空・虚)名詞に付いて、うつろな、空虚な、の意を表す。「—蝉(せみ)はからを見つつも...
うつお【空/虚/洞】
1 中がからになっていること。また、そのようなもの。うつろ。うろ。「この唐櫃(からびつ)をこそ心にくく思ひつれども、これも—にて物なかりけり」〈今昔・二九・一二〉 2 岩や樹木にできた空洞。ほら...
うつほ【空/虚/洞】
⇒うつお(空)
うつお‐ぎ【空木】
中が腐って、空洞になった木。うつろぎ。「わが居たる—の前に」〈宇治拾遺・一〉
うつお‐ばしら【空柱】
屋上の雨水を受ける、箱形の縦樋(たてどい)。特に、清涼殿の殿上の間(ま)の東南端にある雨落(あまお)ちの柱をさす。箱樋(はこどい)。
うつお‐ぶね【空舟】
大木をくり抜いて造った舟。丸木舟。うつろぶね。「—にいれて流されけるとぞ聞こえし」〈平家・四〉
うつ‐ぎ【空木/卯木】
アジサイ科の落葉低木。山野に自生。幹の内部は中空で、よく分枝する。葉は卵形でとがり、縁に細かいぎざぎざがある。初夏、白い5弁花が群れ咲く。生け垣にしたり、木釘(きくぎ)や楊枝(ようじ)を作る。う...
うつぎ‐だけ【空木岳】
長野県南西部、木曽山脈第2の高峰。標高2864メートル。
うつ・く【空く/虚く】
[動カ下二]「うつける」の文語形。
うつけ【空け/虚け】
《動詞「うつ(空)ける」の連用形から》 1 中のうつろなこと。から。からっぽ。 2 愚かなこと。ぼんやりしていること。また、そのような者。まぬけ。「余りに頼効(たのみがい)なき—の罪を」〈鏡花・...