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1 中がからになっていること。また、そのようなもの。うつろ。うろ。
「この唐櫃 (からびつ) をこそ心にくく思ひつれども、これも―にて物なかりけり」〈今昔・二九・一二〉
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2 岩や樹木にできた空洞。ほら穴。
「いかめしき牝熊、牡熊、子生み連れてすむ―なりけり」〈宇津保・俊蔭〉
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3 上着だけで、下に重ねるべき衣類を着用しないこと。
「短き衣―にほうかぶって、帯もせず」〈平家・八〉
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4 葱 (ねぎ) をいう女房詞。
[補説]発音は、古くは「ウツホ」、その後「ウツヲ」「ウツオ」と変化したという。また、「ウツボ」と濁音にも発音されたらしい。