そら‐なき【空泣き】
[名](スル)泣きまね。うそ泣き。「—して同情を引く」
そら‐なき【空鳴き】
本当かと思わせるように鳴くこと。鳴き声をまねること。「天の戸を明けぬ明けぬと言ひなして—しつる鳥の声かな」〈後撰・恋二〉
そら‐なげき【空嘆き】
嘆くふりをすること。「—をうちしつつ、なほ装束し給ひて」〈源・真木柱〉
そら‐なさけ【空情け】
愛情があるように見せかけること。いつわりの愛情。「ただかりそめの御言の葉、—かけられ参らせ候うても」〈伽・をこぜ〉
そら‐なみだ【空涙】
いかにも悲しそうに見せかけて流す涙。いつわりの涙。「—にだまされる」
そら‐に【空似】
まったく血縁関係がないのに、顔つきなどがよく似ていること。「他人の—」
空(そら)に標(しめ)結(ゆ)・う
空に標縄(しめなわ)を結い渡すような、不可能なこと、思ってもかいのないことを思い煩う。「いかでかはかばかりの御有様も聞かましと、—・ふ恋しさに」〈浜松・四〉
空(そら)に知(し)られぬ雪(ゆき)
《空から降ったわけではない雪という意から》舞い散る桜の形容。空知らぬ雪。
そらにはほん【空には本】
寺山修司の第1歌集。昭和33年(1958)刊行。初期の作品をまとめたもの。「チェホフ祭」「祖国喪失」などの連作を収める。
空(そら)に三(み)つ廊下(ろうか)
天候が、降ろうか・照ろうか・曇ろうかの三つの「ろうか」のどれであるか定まらないことを「廊下」に掛けていったもの。