はし‐なく【端無く】
[副]何のきっかけもなく事が起こるさま。思いがけなく。偶然に。「越し方、行末の事、—胸に浮び」〈樗牛・滝口入道〉
はしなく‐も【端無くも】
[副]「端無く」の詠嘆をこめた言い方。「—出版物が好評をもって迎えられる」
はし‐ぬい【端縫い】
布の端を細く折り返して縫うこと。はぬい。
はし‐のり【端乗り】
1 物の端に乗ること。 2 ちょっと乗ること。一説に、先駆けすること。「この馬、—に給はり候はん」〈宇治拾遺・九〉
はし‐ばし【端端】
1 あちこちの部分。また、ちょっとした部分。「言葉の—に悪意を感じる」 2 あちらこちらの場所。末端の方の場所。「いまだ京大坂にも—は知らずして」〈浮・胸算用・五〉
はし‐ばみ【端食み】
板の木口に取り付ける幅の狭い木。木口を隠し、反りや合わせ目のはがれを防ぐためのもの。はしばめ。
はし‐ふ【端歩】
将棋で、盤の左右の端にある歩。また、端の筋に使う歩。「—を突く」
はし‐ぶね【端舟/橋船】
《「はしふね」とも》 1 小舟。「天の日槍(ひほこ)—に乗りて播磨国に泊(とどま)りて」〈垂仁紀〉 2 本船に付属して人や荷物の陸揚げに使う小舟。「かねて用意の—に召し給へば」〈浄・千本桜〉
は‐しま【端島】
長崎県南部、長崎半島の西にある島。海底炭田の採掘のために埋め立てを繰り返してつくられた人工の島で、面積0.06平方キロメートル。明治初期から良質の石炭が採れることで栄えたが昭和49年(1974)...
はしまのおんな【端島の女】
西木正明の小説。廃墟となった故郷、長崎の端島(軍艦島)を訪れる女性の物語。昭和63年(1988)刊行。同年、「凍れる瞳」とあわせ第99回直木賞受賞。