す‐あわせ【素袷】
肌着を着ないでじかに袷を着ること。《季 夏》
す‐いちぶ【素一歩】
たった1歩の金。転じて、貧乏人。「己のような—と腐れ合おうと」〈鏡花・婦系図〉
す‐うたい【素謡】
能の略式演奏の一。囃子(はやし)も舞もなく、謡曲だけを正座して謡うこと。1曲全部を謡う番謡(ばんうたい)と、一部分を謡う小謡(こうたい)とがある。
す‐うどん【素饂飩】
具の入らない、つゆをかけただけのうどん。主に関西でいい、関東ではかけうどんという。
す‐おう【素襖/素袍】
直垂(ひたたれ)の一種。裏をつけない布製で、菊綴(きくとじ)や胸ひもに革を用いる。略儀の所用で、室町時代は庶民も日常に着用した。江戸時代には形式化して長袴(ながばかま)をはくことが普通になり、大...
すおうおとし【素襖落】
(「素袍落」と書く)狂言。伊勢参宮の餞別に素襖をもらい、一杯機嫌で戻った太郎冠者は、主に見つからないように隠すが、はしゃぎすぎて落としてしまい、見つかってからかわれる。 歌舞伎舞踊。長唄・義...
すおう‐ぬぎ【素襖脱ぎ】
室町時代、猿楽の能で、観客が祝儀として素襖を脱いで役者に与えたこと。翌日、役者はそれを客の家に行って返すと金銭がもらえた。
すおう‐ばかま【素襖袴】
素襖をつけるときにはく袴。
す‐おどり【素踊(り)】
日本舞踊で、衣装・かつらなどをつけず、男子は袴(はかま)、女子は着流しの紋服姿で踊ること。また、その踊り。
す‐かみこ【素紙子】
《「すがみこ」とも》柿渋を引かないで作った安価な紙子。《季 冬》