きき‐ごと【聞き事】
聞くだけの価値があること。「一列に並び、互ひの悪をいひあひけるこそ—なれ」〈浮・禁短気・三〉
きき‐さ・す【聞き止す】
[動サ四]聞くのを中途でやめる。「異なる事なければ—・し給ひつ」〈源・帚木〉
きき‐さだ・める【聞(き)定める】
[動マ下一][文]ききさだ・む[マ下二]聞いて、はっきりこれと確かめる。「物音の性質を—・めようとすると同時に」〈鴎外・鼠坂〉
きき‐ざけ【聞(き)酒/利(き)酒】
酒を少量味わって、そのよしあしを鑑定すること。また、そのために用いる酒。《季 秋》
きき‐ざれ【聞き戯れ】
話をいい加減に聞くこと。冗談半分。「—に聞けるなり」〈土佐〉
聞(き)きしに勝(まさ)・る
聞いて予想していた以上に程度がはなはだしい。「—・る大惨事」「—・る豪華なホテルだった」
きき‐しの・ぶ【聞き忍ぶ】
[動バ四]聞いても黙っている。聞こえないふりをする。「心やましううち思ひて—・び給ふ」〈源・横笛〉
きき‐し・める【聞き占める】
[動マ下一]その声や音などをしっかり聞く。「伸子は保の云うことを、半分も—・めてはいないのであった」〈宮本・伸子〉
ききしり‐がお【聞き知り顔】
聞いてわかっているという顔つき。「内の人は、—にさし答(いら)へ給はむもつつましくて」〈源・総角〉
きき‐し・る【聞(き)知る】
[動ラ五(四)] 1 聞いて知る。「うわさで—・ったかぎりでは」 2 聞いてわかる。聞いてその意味を理解する。「あはれと—・るべき人もあらじと思ふに」〈徒然・四四〉