むね‐の‐せき【胸の関】
胸のふさがるのを関にたとえていう語。胸の関路(せきじ)。「—袖のみなととなりにけり思ふ心はひとつなれども」〈式子内親王集〉
胸(むね)の痞(つか)えが下(お)・りる
《「痞え」は、胸がふさがり苦しいこと》心の悩みや不満がなくなり、気持ちがすっきりする。「本当のことを打ち明けて、—・りる」
むね‐の‐ひ【胸の火】
胸に燃える思い。恋慕や嫉妬(しっと)などの、熱く苦しい思いを火にたとえていう語。
胸(むね)の隙(ひま)あ・く
心が晴れやかになる。「思ひ結ぼほるる事ども、少しづつ語り聞こえ給ふぞ、こよなく—・く心地し給ふ」〈源・早蕨〉
むね‐の‐ほのお【胸の炎】
「胸の火」に同じ。
むね‐の‐まもり【胸の守り】
江戸時代、貴人の婚礼のとき、花嫁が白装束の上から胸に掛けて夫婦和合の印とした守り札。
むね‐はしり【胸走り】
「胸(むな)騒ぎ」に同じ。「かたはらいたしと思ひつつ、さすがに—するを」〈かげろふ・中〉
むねはしり‐び【胸走り火】
《「胸走り」と「走り火」とを重ねた語》胸騒ぎがして落ち着かない思いを、はじけ飛ぶ火にたとえていう語。「人に逢はむ月のなきには思ひおきて—に心焼けをり」〈古今・雑体〉
むね‐はば【胸幅】
胸のはば。特に洋裁で、左右のそでのつけ根からつけ根までの間のはば。
胸(むね)拉(ひし)・ぐ
「胸が潰れる」に同じ。「いかなる心地せむと、胸もひしげておぼゆ」〈源・総角〉