かんぜ【観世】
能楽師の姓の一。シテ方のほか、小鼓方・大鼓方・太鼓方にこの姓がある。
1 「観世流」「観世座」の略。 2 「観世水」の略。
きた【喜多】
能楽師の姓の一。シテ方の家柄。
「喜多流」の略。
こんごう【金剛】
能楽師の姓の一。シテ方の家柄。大和猿楽坂戸座の6世三郎正明の童名金剛丸からとったもの。
「金剛流」または「金剛座」の略。
こんぱる【金春】
能楽師の姓の一。シテ方と太鼓方にこの姓がある。金春禅竹の曽祖父にあたる26世毘沙王権守(びしゃおうごんのかみ)の童名によったもの。
「金春流」または「金春座」の略。
して‐かた【仕手方】
能楽師のうち、シテ・シテヅレ・子方・地謡・後見などを専門に務める者。また、その家柄。観世・宝生・金春(こんぱる)・金剛・喜多の五流がある。→ワキ方 [補説]ふつう「シテ方」と書く。
のう‐やくしゃ【能役者】
能楽を演じることを職業とする者。シテ方・ワキ方・狂言方・囃子(はやし)方の専門に分かれている。能楽師。
ほうしょう【宝生】
能楽師の姓の一。観阿弥清次の長兄の芸名、宝生大夫から来ているという。シテ方とワキ方にこの姓がある。
「宝生流」または「宝生座」の略。
わき‐かた【脇方】
能楽師のうち、ワキ・ワキヅレを専門に務める者。また、その家柄。進藤・春藤・福王・高安・宝生の五流があったが、進藤・春藤は廃絶した。→シテ方 [補説]ふつう「ワキ方」と書く。