おおんぞ‐がち【御衣勝ち】
[形動ナリ]からだが小さくて、衣装ばかりが目立つさまを、その状態にある人を敬っていう語。「いと—に身もなくあえかなり」〈源・若菜上〉
おし‐ま・く【押し巻く】
[動カ四]力を入れて強く巻く。また、きちんと巻く。「浅緑の薄様なる文の—・きたる端見ゆるを」〈源・若菜下〉
おとこ‐みこ【男御子/男皇子】
男子の御子。皇子。おのこみこ。⇔女御子(おんなみこ)。「—にさへおはすれば」〈源・若菜上〉
おとしめ‐ごと【貶め言】
さげすんでいう言葉。悪口。「あいなき御—になむと、はてはては腹立つを」〈源・若菜下〉
おの‐が‐どち【己がどち】
自分たち仲間どうし。「—の心よりおこれる懸想にもあらず」〈源・若菜上〉
おび・る
[動ラ下二] 1 内気でおっとりしている。「女御の、あまりやはらかに—・れ給へるこそ」〈源・若菜下〉 2 おびえる。「この勢ひに—・れて、山路にかかって逃ぐるを」〈浮・諸国心中女〉
おぼ・す【思す】
[動サ四]《「おもほす」の音変化》「思う」の尊敬語。 1 お思いになる。お考えになる。「そもそもいかやうなる心ざしあらむ人にか、あはむと—・す」〈竹取〉 2 心を向けて、大切にお思いになる。お目...
おぼ‐めか・し
[形シク]《動詞「おぼめく」の形容詞化》 1 はっきり見えない。おぼろげである。「夕涼みといふほど、物のさまなども—・しきに」〈枕・二二四〉 2 記憶などが確かでない。「そのかた(=和歌ノ方面)...
おもい‐おく・る【思ひ後る】
[動ラ下二]決心がおくれる。心を決めかねる。「あま舟にいかがは—・れけむ明石の浦にいさりせし君」〈源・若菜下〉
おもい‐さま・す【思ひ醒ます】
[動サ四]気持ちを静める。迷いを捨て平常の心を取り戻す。「強ひてこのことを—・さむと思ふ方にて」〈源・若菜下〉