おい‐こ・る【生ひ凝る】
[動ラ四]密生する。生い茂る。「つくろはせし草なども…うち捨てたりければ、—・りて」〈かげろふ・上〉
おう‐うつ【蓊鬱】
[ト・タル][文][形動タリ]草木が盛んに茂るさま。「既にして松林の—たるを見る」〈東海散士・佳人之奇遇〉
おお・る【撓る】
[動ラ四]花や葉の重みで枝がしなう。たわむほどに茂る。「巌(いはほ)には花咲き—・り」〈万・一〇五〇〉
からす‐おうぎ【烏扇】
《「烏扇(うせん)」を訓読みにした語》アヤメ科の植物ヒオウギの古名。「蓬生(よもぎふ)は様異なりや庭の面(おも)に—のなぞ茂るらむ」〈山家集・中〉
くさ‐む・す【草生す/草産す】
[動サ五(四)]《「むす」は、生じる意》草が生える。草が生い茂る。「墓に—・す」「山行かば—・す屍(かばね)」〈万・四〇九四〉
けい‐しん【荊榛】
イバラとハシバミ。また、それらが茂る雑木林のこと。「細径は—の間に通ぜり」〈鴎外訳・即興詩人〉
こい‐ぐさ【恋草】
恋の思いが激しく燃え上がるようすを、草の生い茂るのにたとえていう語。「—を力車に七車積みて恋ふらくわが心から」〈万・六九四〉
こう‐ぶ【荒蕪】
[名](スル)土地が荒れて、雑草の茂るがままになっていること。「—地」「—せる丘陵の間」〈鴎外訳・即興詩人〉
このくれ‐しげ【木の暗茂】
暗くなるほど木の茂ること。また、その茂み。「多祜(たこ)の崎—にほととぎす来鳴きとよめばはだ恋ひめやも」〈万・四〇五一〉
しげり【茂り/繁り】
草木などが生い茂ること。また、茂った所。しげみ。「青葉の—」《季 夏》「山伏の法螺(ほら)吹立つる—かな/子規」