やぶ‐ぢから【藪力】
藪竹を引き抜くほどの力。ばかぢから。「十七八の—、藪にしがらむ竹の根は一度に穿(うが)って引き抜くとも」〈浄・加増曽我〉
藪(やぶ)で馬鍬(まぐわ)
「藪に馬鍬」に同じ。
藪(やぶ)に馬鍬(まぐわ)
《「馬鍬」は、牛馬にひかせる耕耘(こううん)用の鍬》生い茂った藪では馬鍬を使って耕すことはできないことから、できないことを無理にしようとするたとえ。藪で馬鍬。
藪(やぶ)に目(め)
《藪の中にも人の目はありうる、の意から》どこでだれが見ているかわからず、秘密の漏れやすいことのたとえ。壁に耳。
やぶ‐にんじん【藪人参】
セリ科の多年草。山野の藪に生え、高さ約60センチ。葉は羽状複葉でニンジンに似る。4、5月ごろ、白い小花をまばらな散形状につける。
やぶのうち‐りゅう【藪内流】
茶道の分派の一。藪内宗巴を遠祖とし、その養子剣仲紹智(けんちゅうじょうち)が千利休に師事して創始。比較的古風を保つ。三千家を上流というのに対し下流という。藪内。
やぶ‐の‐なか【藪の中】
《芥川竜之介の小説「藪の中」から》関係者の言うことが食い違うなどして、真相がわからないこと。
やぶのなか【藪の中】
芥川竜之介の小説。藪の中で起こった殺人について、目撃者や当事者たちが語るが、その内容がそれぞれ食い違うために真相はわからないままとなる。大正11年(1922)発表。
やぶのむくじゅうとうきょうけんぶつ【藪野椋十東京見物】
渋川玄耳(筆名、藪野椋十)の随筆集。朝日新聞に連載されたのち、明治40年(1907)刊行。夏目漱石が序文を寄せている。
やぶ‐はら【藪原】
藪になっている広い土地。「はろばろに言(こと)そ聞こゆる島の—」〈皇極紀・歌謡〉