せび【蝉】
「せみ」に同じ。〈新撰字鏡〉
せみ【蝉】
1 半翅(はんし)目セミ科の昆虫の総称。翅(はね)は膜質で透明。頭部は三角形で両側に複眼、その間に単眼が3個あり、管状の口吻(こうふん)をもち、樹液を吸う。雄は腹部に発音器をもち、樹幹などで鳴く...
せみ‐えび【蝉海老】
ウチワエビ科のエビ。体は長方形に近く、扁平で、体長約30センチ。体表は大粒の顆粒(かりゅう)で覆われ、黄褐色に赤茶色の斑が入る。房総以南の暖海に分布。食用。
せみ‐おれ【蝉折れ】
男の髪の結い方の一。鬢(びん)の先を反らして蝉の形にしたもの。元禄(1688〜1704)のころ流行。 竜笛(りゅうてき)の名器の名。鳥羽天皇の時代に唐の皇帝から贈られた漢竹で作ったという。
せみ‐かご【蝉籠】
花を生ける、蝉の形をした籠。
せみ‐ぐち【蝉口】
「蝉(せみ)2」に同じ。
せみ‐ごえ【蝉声】
蝉の鳴き声に似た絞り出すような声。一説に、逼(せ)めあげる声の意でかん高い声、また「責め声」の音変化で苦しげな声とも。「—にしぼり出だし読みゐたれど」〈能因本枕・二二〉
せみ‐ごおり【蝉氷】
セミの翅(はね)のように薄く張った氷。《季 冬》
せみ‐ごろも【蝉衣】
蝉の翅(はね)のように薄く透けるように織った、夏向きの着物。蝉の衣(きぬ)。蝉の羽衣(はごろも)。「かけ香や何にとどまる—」〈蕪村句集〉
せみしぐれ【蝉しぐれ】
藤沢周平による長編の時代小説。昭和63年(1988)刊行。著者が創作した架空の藩、海坂(うなさか)藩を舞台に、少年藩士の成長を描く。