おしゅん‐でんべえ【お俊伝兵衛】
浄瑠璃「近頃河原達引(ちかごろかわらのたてひき)」などの主人公の男女の名。恋敵の官左衛門を刺殺した井筒屋伝兵衛は、相愛の遊女お俊と心中に赴く。実在については諸説がある。
おちよ‐はんべえ【お千代半兵衛】
享保7年(1722)大坂で起こった八百屋半兵衛とその妻お千代の心中事件を題材にした浄瑠璃・歌舞伎などの通称。浄瑠璃「心中宵庚申」「心中二つ腹帯」など。
おつま‐はちろべえ【お妻八郎兵衛】
大坂の古手屋八郎兵衛が嫉妬から、遊女のお妻を殺した事件を主題とする歌舞伎・浄瑠璃の通称。歌舞伎狂言「文月恨切子(ふみづきうらみのきりこ)」、浄瑠璃「桜鍔恨鮫鞘(さくらつばうらみのさめざや)」など。
おはつ‐とくべえ【お初徳兵衛】
大坂内本町の平野屋の手代徳兵衛と北の新地の遊女天満屋のお初。また、元禄16年(1703)に起こった二人の情死事件を題材にした浄瑠璃・歌舞伎などの通称。近松門左衛門作「曽根崎心中」が有名。
おふさ‐とくべえ【お房徳兵衛】
宝永元年(1704)に起こった、大坂万年町の紺屋徳兵衛と六軒町重井筒(かさねいづつ)屋の遊女お房の心中事件を題材とした浄瑠璃・歌舞伎などの通称。浄瑠璃「心中重井筒」が有名。
おまん‐げんごべえ【おまん源五兵衛】
心中をして寛文年間(1661〜1673)の俗謡などに歌われた、おまんと薩摩源五兵衛。二人の話を題材として、近松門左衛門の「おまん源五兵衛薩摩歌」、井原西鶴の「好色五人女」などの作品がある。
かく‐べえ【角兵衛】
「角兵衛獅子」の略。
かじょう‐ぼうえい【過剰防衛】
正当防衛としてなされる行為が、防衛の程度を越えていると判断されるもの。違法行為ではあるが、情状によって刑が軽減・免除されることがある。→正当防衛
かびらえ【迦毘羅衛】
《(梵)Kapilavastuの漢名。vastuは城の意》釈迦(しゃか)族の住んでいた都城。現在のネパール連邦民主共和国タライ地方にあった。釈迦牟尼はこの地で生まれたという。カピラバストゥ。
かみや‐じへえ【紙屋治兵衛】
浄瑠璃「心中天(てん)の網島」の主人公。大坂天満の紙屋の主人で、遊女小春と恋に落ち、貞節な妻おさんの心尽くしもむなしく、小春と心中する。紙治(かみじ)。