こけ‐の‐たもと【苔の袂】
僧・隠者などの着る衣。こけのそで。「美麗を好みて宝をつひやし、これを捨てて—にやつれ」〈徒然・一七二〉
すみ‐の‐たもと【墨の袂】
「墨染め衣」に同じ。
たまものまえあさひのたもと【玉藻前曦袂】
浄瑠璃。時代物。五段。近松梅枝軒・佐川藤太合作。文化3年(1806)初演。浪岡橘平らの同名の先行作を改作。天竺(てんじく)から唐土・日本と渡った金毛九尾の狐の伝説を脚色したもの。
た‐もと【袂】
《「手(た)本(もと)」の意から》 1 和服の袖付けから下の、袋のように垂れた部分。 2 そば。きわ。「橋の—」 3 ふもと。すそ。「山の—」 4 肩からひじまでの部分。「娘子(をとめ)らが娘子...
なごり‐の‐たもと【名残の袂】
「名残の袖(そで)」に同じ。「泣いて尽きせぬ—見捨てて抱(かか)へを手繰り寄せ」〈浄・天の網島〉
はな‐の‐たもと【花の袂】
1 はなやかな衣服。また、その袂。「いつしかもかへつる—かな時にうつるはならひなれども」〈長秋詠藻・中〉 2 花を袂に見立てていう語。「かりにのみ人の見ゆれば女郎花(をみなへし)—ぞ露けかりける...
ふじ‐の‐たもと【藤の袂】
藤衣(ふじごろも)のたもと。喪服のたもと。また、藤衣。「くちなしの花色衣ぬぎかへて—になるぞ悲しき」〈右京大夫集〉
ぶん‐べい【分袂】
[名](スル)たもとを分かつこと。別れること。決別。「楽を奏し、以て—の歌を唱う」〈織田訳・花柳春話〉
べい【袂】
[音]ベイ(漢) [訓]たもと 衣服のそで。たもと。「袂別/分袂・連袂」
れん‐べい【連袂/聯袂】
たもとをつらねること。行動をともにすること。「—辞職」