け【褻】
正式でないこと。また、日常的なこと。ふだん。⇔晴(はれ)。「—に着給ふ御衣(おんぞ)」〈大鏡・兼通〉
け‐い【褻居】
ふだんいる部屋。居間。「敦光朝臣酒を愛するの間、たえず酒を—の棚に置く」〈古事談〉
け‐おさめ【褻納め】
ふだん着と晴れ着。「—の装束あまたくだり調へて渡しけり」〈今昔・二六・一七〉
け‐ぎ【褻着】
平生着る着物。普段着。けごろも。
け‐ごと【褻事】
日常のこと。ふだんのこと。
け‐ごろも【褻衣】
ふだん着。けぎぬ。「この衣(きぬ)の色白妙になりぬともしづ心ある—にせよ」〈和泉式部集・上〉
けごろも‐を【褻衣を】
[枕]着古したふだん着を、洗うために解く意から、「解き」と同音の「時」にかかる。「—時かたまけて出でましし」〈万・一九一〉
け‐しね【褻稲/食稲】
農家の自家食用の穀物。けせね。きすね。
褻(け)にも晴(は)れにも
1 ふだんのときも表だったときも。いつも。「別に衣裳とてもあらばや、—簑(みの)一つなれば」〈中華若木詩抄・下〉 2 たった一つで、他に代わるものがない。後にも先にも。「—一人の男だけに」〈滑・...
け‐の‐ころも【褻の衣】
平常着る衣服。ふだん着。けごろも。「—にて、平笠など打着て、法服をば袋に入れて持たせて」〈今昔・二六・二二〉