いい‐い・ず【言ひ出づ】
[動ダ下二]口に出して言う。「あはれなる事など、人の—・で、うち泣きなどするに」〈枕・一二七〉
いい‐いだ・す【言ひ出だす】
[動サ四] 1 内から外にいる人に向かって言葉をかける。「中より、…中なる人だに静心(しづごころ)なくはべるを、と—・したれば」〈かげろふ・下〉 2 口に出して言う。いいだす。「なまひがひがしき...
いい‐い・れる【言(い)入れる】
[動ラ下一][文]いひい・る[ラ下二] 1 外から屋敷・部屋の中に向かって言う。取り次ぎを介して内へ伝える。「『御頼(おたの)申します』…斯う—・れた一人の紳士がある」〈藤村・破戒〉 2 言って...
いい‐おく・れる【言(い)遅れる】
[動ラ下一][文]いひおく・る[ラ下二]先に言うべきことを後になってから言う。「—・れたが、お見舞いをありがとう」
いい‐おち【言ひ落ち】
言えば言うほど自分の不利益になること。「申し訳いたす程皆—にて候へども」〈浄・出世景清〉
いい‐おと・す【言(い)落(と)す】
[動サ五(四)] 1 言うべきことを言い忘れる。言いもらす。「大事な用件を—・す」 2 けなして言う。悪く言う。「心せばげにこそ見ゆめれ、など—・す」〈源・竹河〉
いい‐かえ・す【言(い)返す】
[動サ五(四)] 1 繰り返して言う。「台詞(せりふ)を—・してみる」 2 相手に応じて言葉を返す。特に、口答えする。「『こんにちは』と—・す」「負けずに—・す」 3 訪問客を断って帰す。「—・...
いい‐か・える【言(い)換える/言(い)替える】
[動ア下一][文]いひか・ふ[ハ下二] 1 同じ事柄を他の言葉で言い表す。言い直す。換言する。「易しい言葉で—・える」 2 前に言ったことと別なことを言う。「前言を取り消して—・える」
いい‐かかずら・う【言ひ係ふ】
[動ハ四] 1 言いようがなくて困る。言いあぐむ。「耳にも聞き入れざりければ—・ひて帰りぬ」〈竹取〉 2 ものを言うことによって、かかわりをもつ。言い寄る。「とかく—・ひ出でむも煩はしう」〈源・夕霧〉
いい‐か・ねる【言(い)兼ねる】
[動ナ下一][文]いひか・ぬ[ナ下二] 1 断言できなかったり、支障があったりして、言うのがためらわれる。言いたくても言えないでいる。「はっきりしたことは—・ねる」 2 打消しの助動詞を伴って、...