みち‐べ【道辺】
道のほとり。道ばた。みちのべ。
みね‐べ【峰辺】
峰のあたり。「谷狭(せば)み—に延(は)へる玉かづら延へてしあらば年に来(こ)ずとも」〈万・三〇六七〉
みやこ‐べ【都辺/都方】
都の方向。都のあたり。「—に立つ日近付く飽くまでに相見て行かな恋ふる日多けむ」〈万・三九九九〉
む‐へん【無辺】
[名・形動]広々として果てしないこと。また、そのさま。「—な(の)宇宙」「広大—」
むりょう‐むへん【無量無辺】
はかり知れないこと。果てしないこと。「—の功徳(くどく)」
もと‐へ【本辺/本方】
1 物の根もとの方。下の方。「—は君を思ひ出、末辺(すゑへ)は妹を思ひ出」〈記・中・歌謡〉 2 山の麓の方。「—にはあしび花咲き末方(すゑへ)には椿花咲く」〈万・三二二二〉
やま‐の‐べ【山の辺】
《古くは「やまのへ」》山のあたり。やまべ。「—にい行く猟雄(さつを)は多かれど山にも野にもさ雄鹿(をしか)鳴くも」〈万・二一四七〉
やま‐び【山辺】
「やまべ(山辺)」に同じ。「霞居る富士の—に我が来なばいづち向きてか妹が嘆かむ」〈万・三三五七〉
やま‐べ【山辺】
《古くは「やまへ」》山の麓のあたり。やまのべ。
ゆきぬまとそのしゅうへん【雪沼とその周辺】
堀江敏幸の短編小説集。山あいの小さな町、雪沼に住む人々を描いた作品。平成15年(2003)刊行。翌年、第40回谷崎潤一郎賞受賞。