くま【隈/曲/阿】
1 曲がって入り込んだ所。また、奥まった所。もののすみ。片隅。「川の—」「光到らぬ—もなし」〈樗牛・滝口入道〉 2 物陰になっている暗がり。陰になった所。「停車場(ステーシヨン)前の夜の—に、四...
くま‐ぐま【隈隈】
あちこちのすみ。すみずみ。「—まで探し求める」
くまぐま・し【隈隈し】
[形シク] 1 物の陰に隠れてよく見えない。薄暗くて見えにくい。「火はほのかにまたたきて、…ここかしこの、—・しくおぼえ給ふに」〈源・夕顔〉 2 樹木がこんもりと茂り、陰がある。「この前栽の、い...
くま‐ざさ【隈笹/熊笹】
イネ科の植物。山地に自生。葉は幅の広い長楕円形で、冬に縁が枯れて白色にくま取られる。 [補説]書名別項。→隈笹
くまざさ【隈笹】
渡辺水巴の句集。昭和10年(1935)刊行。
くま‐と【隈所/隈処】
折れ曲がって入り組んだ所。奥まった所。物陰。「蘆垣(あしがき)の—に立ちて吾妹子(わぎもこ)が袖もしほほに泣きしそ思(も)はゆ」〈万・四三五七〉
くま‐どり【隈取り/暈取り】
[名](スル) 1 陰影や濃淡などで境目をつけること。また、そのもの。 2 東洋画で、輪郭に沿って、水墨や彩色をぼかして描くこと。立体感などを表す効果がある。暈渲(うんせん)。 3 歌舞伎で、人...
くまどり‐ふで【隈取り筆】
日本画で、ぼかしをするときに用いる筆。穂の形が丸く短い。くまふで。
くま‐ど・る【隈取る/暈取る】
[動ラ五(四)] 1 陰影や濃淡などで境目をつける。「疲労の色に—・られた顔」 2 日本画で、立体感を表すために隈取りをする。 3 歌舞伎役者が顔の隈取りをする。
くま‐なく【隈無く】
[副]《形容詞「くまなし」の連用形から》 1 隅々まで行き届いて、余すところのないさま。隅から隅まで。「家中を—捜す」 2 影や曇りがないさま。「月光が—照らす」