やぶ‐さめ【藪雨】
ウグイス科ヤブサメ属の鳥。全長11センチくらい。尾が短く、上面は暗褐色、下面は淡色で、眉斑も淡色。藪にすみ、シシシと小声で鳴く。日本では夏鳥で、冬に東南アジアへ渡る。しおさざい。かわりうぐいす。...
やま‐ざと【山里】
1 山間の村落。山村。 2 山村にある別荘。山荘。「宇治といふ所に、よしある—持(も)給へりけるに」〈源・橋姫〉 3 山奥の家。山家(やまが)。「—は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音に目を覚まし...
やま‐の‐べ【山の辺】
《古くは「やまのへ」》山のあたり。やまべ。「—にい行く猟雄(さつを)は多かれど山にも野にもさ雄鹿(をしか)鳴くも」〈万・二一四七〉
ゆ
[格助]《上代語》名詞に付く。 1 動作・作用の起点を表す。…から。「朝に日(け)に見まく欲りするその玉をいかにせばかも手—離(か)れずあらむ」〈万・四〇三〉 2 動作の移動・経由する場所を表す...
ゆう‐かげ【夕陰】
夕方、日の光が当たらず陰になっている所。「影草の生ひたる宿の—に鳴くこほろぎは聞けど飽かぬかも」〈万・二一五九〉
夕(ゆう)片設(かたま)けて
夕方になって。「草枕旅に物思ひ我が聞けば—鳴くかはづかも」〈万・二一六三〉
ゆう‐さらず【夕去らず】
[連語]《夕方を離れない意から》夕方になるたびに。毎夕。「今日もかも明日香(あすか)の川の—かはづ鳴く瀬のさやけくあるらむ」〈万・三五六〉
ゆう‐ぜみ【夕蝉】
夕方に鳴くセミ。《季 夏》「—や松も簾(すだれ)もみな赤き/紅葉」
ゆう‐つけ【木綿付け】
「木綿付け鳥」の略。「暁に鳴く—のわが声に劣らぬ音をぞ鳴きて帰りし」〈信明集〉
ゆう‐づくよ【夕月夜】
[名]「ゆうづきよ」に同じ。 [枕] 1 がほの暗いことから、地名の「小倉(をぐら)」にかかる。「—をぐらの山に鳴く鹿の」〈古今・秋下〉 2 夕月は夜中に沈み、暁は闇であることから、「暁闇...