おとがい‐の‐しずく【頤の雫】
《下あごについたしずくを飲むことはできないところから》手近にありながら、自分の思うようにならないことのたとえ。「見るもの食はうあだ思ひ、是(これ)—なり」〈浄・袂の白絞〉
おとがい‐ぶ【頤部】
《「オトガイ部」と書く》下唇の下方ある、あごの突き出た部分。下顎の先端部。あご先。チン。
頤(おとがい)を利(き)・く
「頤(おとがい)を叩(たた)く」に同じ。「まだ—・きをるかと、頰桁(ほほげた)三つ四つくらはせて」〈浄・大経師〉
頤(おとがい)を叩(たた)・く
盛んにしゃべることをののしっていう言葉。つべこべ言う。「何の顔(つら)の皮でがやがや—・く、恥をしれやい」〈浄・盛衰記〉
頤(おとがい)を解(と)・く
《「漢書」匡衡伝から》あごを外すほど大きな口を開けて笑う。大笑いをする。「いまだその詞を出ださざるに、万人の—・く」〈新猿楽記〉
頤(おとがい)を養(やしな)・う
1 生計を立てる。 2 養ってやる。他人の生活の面倒をみてやる。「ながなが—・うてゐた此の、此の、此の顔が立たぬか」〈浄・浪花鑑〉
おと‐がね【音金】
弓の末弭(うらはず)のほうの弓弦(ゆづる)の中に包み込んである銅、または鉛。矢を射るとき、よく響くようにしたもの。
お‐とき【御斎】
仏事法会(ほうえ)のときに出す食事。→斎
お‐とぎ【御伽】
《貴人・敬うべき人のための「とぎ」の意》 1 夜のつれづれを慰めるために話し相手となること。また、その人。「若君の—をする」 2 寝所に侍ること。また、その人。侍妾。 3 「御伽話」の略。「—の...
おとぎ‐いぬ【御伽犬】
「犬箱(いぬばこ)」に同じ。