おの‐れ【己】
《「れ」は「われ」「たれ」などの「れ」と同じもの》 [代] 1 反射代名詞。その人、またはそのもの自身。自分。自分自身。「—を省みる」 2 二人称の人代名詞。目下に対して、または相手をののしっ...
おのれ‐がお【己顔】
自分だけはという誇らしげな顔つき。得意顔。我は顔。「—に幅をして」〈花袋・春潮〉
己(おのれ)達(たっ)せんと欲(ほっ)して人(ひと)を達(たっ)せしむ
《「論語」雍也(ようや)から》自分が目的を遂げようと思うときは、まず人を助けて目的を遂げさせる。仁ある者は事を行うのに自他の区別をしないことをいう。
おのれ‐と【己と】
[副]自分から。みずから。また、ひとりでに。自然に。「空には星があるが、高い所に—光るのみで」〈漱石・満韓ところどころ〉
己(おのれ)に克(か)ち礼(れい)に復(かえ)る
《「論語」顔淵から》私欲を抑え、人間の踏むべき礼に従って行動する。
己(おのれ)に如(し)かざる者(もの)を友(とも)とする勿(なか)れ
《「論語」学而から》善を求め道を修め、みずからを向上させるためには、自分より劣る者と交わってはならない。
己(おのれ)の欲(ほっ)せざるところは人(ひと)に施(ほどこ)す勿(なか)れ
《「論語」顔淵などから》自分が好まないことを他人に無理じいしてはならない。
おのれ‐やれ【己やれ】
[感]期するところがあって発する語。えい。なにくそ。おどれやれ。「女なりとも、—、一太刀なりとも恨みん」〈伎・四谷怪談〉
おのれ‐ら【己等】
[代] 1 二人称の人代名詞。おまえら。きさまら。「—は役立たずばかりだ」 2 一人称の人代名詞。私ども。「—よりは、なかなか御存知などもこそ候はめ」〈徒然・六七〉
己(おのれ)を知(し)りうる者(もの)は賢者(けんじゃ)なり
自己を知る者こそ賢い。英国の詩人G=チョーサーの処世訓。