おもい‐し・ぬ【思ひ死ぬ】
[動ナ変]思い続けて死ぬ。恋い焦がれて死ぬ。「言ふことの恐(かしこ)き国そ紅の色にな出でそ—・ぬとも」〈万・六八三〉
おもい‐し・む【思ひ染む】
[動マ四]心に深く思う。深く心に感じる。「いとあはれとものを—・みながら」〈源・桐壺〉 [動マ下二]「おも(思)いし(染)める」の文語形。
おもい‐しめ・る【思ひ湿る】
[動ラ四]悲しみに沈む。また、悲観的に考える。「常よりもいみじう—・り給へるけしきありさまの」〈浜松・五〉
おもい‐し・める【思い染める】
[動マ下一][文]おもひし・む[マ下二]深く心に染み込ませる。「眼早くそれを視(み)て取ッて、直ちに心に—・める」〈二葉亭・浮雲〉
おもい‐しら・す【思い知らす】
[動サ五(四)]「思い知らせる」に同じ。「身のほどを—・してやる」 [動サ下二]「おもいしらせる」の文語形。
おもい‐しら・せる【思い知らせる】
[動サ下一][文]おもひしら・す[サ下二]相手に、身に染みてわからせる。なるほどと悟らせる。「力の違いを—・せる」
おもい‐し・る【思い知る】
[動ラ五(四)]ある物事を身に染みて理解する。なるほどと悟る。「火事の恐ろしさを—・る」
おもい‐じに【思ひ死に】
思い続けて死ぬこと。「—して悪霊となりにけるにや」〈愚管抄・四〉
おもい‐す・ぐ【思ひ過ぐ】
[動ガ上二]思う気持ちがなくなる。忘れる。「—・ぐべき君にあらなくに」〈万・四二二〉
おもい‐すぐ・す【思ひ過ぐす】
[動サ四] 1 心に留めず、そのまま過ごす。「かたじけなき方も、心苦しさも、なべての様に—・してやみぬべき心もせねど」〈狭衣・二〉 2 あれこれ思いながら月日を送る。「心憂きことのみ—・ししかば...