かげ‐の‐わずらい【影の煩ひ】
熱病の一種。病人の姿が二人に見えて、どちらが本人かわからなくなるというもの。離魂病。影の病(やまい)。「十七君(かこひ)の女郎に—とりつきけるを」〈浮・敗毒散・五〉
算(さん)を置(お)・く
1 算木を並べて占う。 2 算木で計算する。「手づから終夜—・きける」〈愚管抄・五〉
じじ‐め・く
[動カ四]やかましく声や音を立てる。騒々しくする。「人々見て笑はむとぞ—・きける」〈伽・鉢かづき〉 [補説]歴史的仮名遣いは「ぢぢめく」か。
よび‐こ・む【呼(び)込む】
[動マ五(四)] 1 呼んで中に入れる。呼び入れる。「店に客を—・む」 2 その方へ引き入れる。引き込む。「管に水を—・む」 [動マ下二]1に同じ。「手よく書きける者一人を—・めて」〈今昔...
鼻笛(はなぶえ)を吹(ふ)・く
1 口を閉じ、声を鼻に抜いて歌う。「—・いて吟ずることか」〈中華若木詩抄・上〉 2 得意になる。「諸人勇みて—・きけるに」〈浮・胸算用・三〉
ゆる【緩】
[形動ナリ] 1 締め方がきつくないさま。ゆるいさま。「(髪ヲ)いと—にひき結はせ給ひて」〈栄花・楚王の夢〉 2 ゆっくりとしたさま。「花誘ふ風—に吹きける夕暮れに」〈宇津保・国譲下〉 3 寛大...
どや・く
[動カ四]《「どやぐ」とも》大声で騒ぐ。わめく。「それそれ持仏堂の脇にもたし掛けて置きましたと—・きける」〈浮・五人女・一〉
とり‐お・く【取(り)置く】
[動カ五(四)] 1 取りのけておく。別にしておく。とっておく。「万一に備えて食料を—・く」 2 かたづける。始末する。「塗り籠めたる所に皆—・きつれば」〈堤・貝合〉 3 死体をかたづける。葬る...
どう‐どう
[副] 1 大量の水が激しく流れる音を表す語。「—と落ちる滝」 2 波が激しく打ち寄せる音や、風が激しく吹きつける音を表す語。「—と森を吹きぬける風」 3 床板などを踏み鳴らす音を表す語。どんど...
じっぽう‐だんな【十方旦那/十方檀那】
1 あちこちの檀家。方々の施主。「勧進帳をささげて、—をすすめありきける程に」〈平家・五〉 2 方々の得意先。顧客。「十六年このかた、—の機嫌を取り」〈浄・宵庚申〉