かえる‐かり【帰る雁】
[連語]春になって北へ帰る雁。行く雁。帰雁(きがん)。《季 春》「—きかぬ夜がちになりにけり/太祇」
かつ‐がつ【且つ且つ】
[副] 1 不十分ながら成り立つさま。どうにか。ともかく。「やりくりして—家計を維持する」 2 とりあえず。急いで。「—里内裏(さとだいり)つくるべきよし議定あって」〈平家・五〉 3 その時期で...
か‐た【夥多】
[名・形動]物事が多すぎるほどあること。おびただしいさま。「人口の—なるに驚けり」〈織田訳・花柳春話〉
かた‐い【乞丐】
1 こじき。ものもらい。「—どもの、坏(つき)、なべなど据ゑてをるも、いとかなし」〈かげろふ・上〉 2 人をののしっていう語。物知らず。ばか者。「この楫取(かぢと)りは、日もえ計らぬ—なりけり」...
かぜ‐の‐はふり【風の祝】
風を鎮めるために、風の神を祭る行事。また、その行事をつかさどる神職。風の祝子(はふりこ)。「けさみれば木曽路の桜咲きにけり—にすきまあらすな」〈散木集・一〉
かた‐しょうばい【片商売】
本業の片手間にする商売。副業。「—をやらなけりゃ飯は喰って行かれねェ」〈魯庵・社会百面相〉
かすみ‐の‐ころも【霞の衣】
1 たちこめた霞を、衣に見立てていう語。「山桜—厚く着てこの春だにも風つつまなむ」〈山家集・上〉 2 《「かすみ」に「墨」を掛けて》墨染めの衣。ねずみ色の衣。喪服。「はかなしや—たちしまに花のひ...
かた‐え【片方/傍】
1 かたわら。そば。「父の—を遠く離るる事の」〈露伴・風流魔〉 2 対になっているものの一方。片方。片側。「高麗錦(こまにしき)紐(ひも)の—ぞ床に落ちにける」〈万・二三五六〉 3 一部分。「ほ...
かた‐ど【片戸】
1 扉が1枚の開き戸。片とびら。 2 両開きの扉の片方の戸。「大寺の—さしけり夕紅葉」〈一茶発句集〉
かず‐の‐こ【数の子】
《「かど(鰊)のこ」の音変化から》ニシンの卵巣を塩漬けにしたり乾燥させたりした食品。「数の多い子」と子孫繁栄の意にとって、新年・婚礼などの祝儀に用いる。《季 新年》「—に老の歯茎を鳴らしけり/虚子」