こと‐な・し【殊無し】
[形ク]この上ない。格別である。「さしもなき事の、—・くこの世にまさりたりと見ゆる事やありし」〈浜松・三〉
この‐よ【此の世】
1 今、生活している現実のこの世界。現世。「—の見納め」「とても—のものとは思えない」⇔彼(あ)の世。 2 過去・未来に対して、現代。当代。「—に名を得たる舞の男ども」〈源・紅葉賀〉
此(こ)の世(よ)なら◦ず
1 ほとんど死ぬほどである。「—◦ずわづらひけり」〈著聞集・五〉 2 すばらしくて、とてもこの世のものとは思われないほどである。「我が為の—◦ぬ財(たから)にこそありけれ」〈今昔・二九・三二〉
こむ‐よ【来む世】
[連語]《「む」は推量の助動詞》死後に、生まれかわって住む世。らいせ。「この世には人言繁し—にも逢はむ我が背子今ならずとも」〈万・五四一〉
子(こ)養(やしな)わんと欲(ほっ)すれど親(おや)待(ま)たず
《「韓詩外伝」九から》子が成長して親に孝養を尽くそうと思うころには親はすでにこの世にない。風樹の嘆。
こん‐じょう【今生】
この世に生きている間。この世。現世。「—の思い出」「—のお別れ」
こんじょう‐の‐わかれ【今生の別れ】
この世ではもう二度と会えないだろうという別れ。
こん‐せ【今世】
《「こんぜ」とも》今のこの世。現世(げんせ)。こんせい。
ごう‐さらし【業曝し/業晒し】
[名・形動]《「ごうざらし」とも》 1 前世の悪業の報いとしてこの世で恥をさらすこと。また、そういう人や、そのさま。恥さらし。「—をする」「—な男」 2 人をののしっていう語。「この—め」
ごう‐しょ【劫初】
《古くは「こうしょ」とも》仏語。この世の初め。⇔劫末。