頭巾(ずきん)と見(み)せて頰(ほお)かぶり
立派に見せかけているが、実際はそうでないことのたとえ。
雀(すずめ)の涙(なみだ)
ごくわずかなもののたとえ。「—ほどの退職金」
薄(すすき)の穂(ほ)にも怯(お)・ず
ほんのわずかなことにもびくびくすることのたとえ。薄の穂にも怖じる。
すずめ‐の‐おどりあし【雀の踊り足】
字が下手なことのたとえ。
すて‐おぶね【捨(て)小舟】
1 乗る人もなく打ち捨てられた小舟。 2 頼りない身、かえりみられることのない身のたとえ。「僕たち外国にいるものは、いよいよこれは—というところかな」〈横光・旅愁〉
鼈(すっぽん)が時(とき)をつくる
すっぽんが時を告げる。あるはずがないことのたとえ。
前車(ぜんしゃ)の覆(くつがえ)るは後車(こうしゃ)の戒(いまし)め
《「漢書」賈誼伝にある、前の車が覆るのを見たら、あとの車は同じわだちの跡を行かないようにせよという諺から》先人の失敗は後人の教訓となるというたとえ。 [補説]「前者の覆るは後者の戒め」と書くのは誤り。
せんそう‐あめい【蝉噪蛙鳴】
蝉(せみ)や蛙(かえる)がうるさく鳴き騒ぐこと。転じて、騒がしいばかりで、何の役にも立たないことや、議論・文章のへたなことのたとえ。蛙鳴蝉噪。「—の論」
大木(たいぼく)の下(した)に小木(しょうぼく)育(そだ)つ
大きな勢力をもつもののもとには、その庇護(ひご)を受けているものが多くいることのたとえ。
田(た)にも畦(あぜ)にも腥物(なまぐさもの)つけて
《どうせ田んぼも畦もやるのなら、ついでに魚や肉もつけてやろう、の意》相手かわいさに、分別なく何もかも与えることのたとえ。田も遣(や)ろう畦も遣ろう。