い‐こう【一向】
[副]《「いっこう(一向)」の促音の無表記》ひたすら。「その代はりに、—に仕うまつるべくなむ」〈源・玉鬘〉
いっ‐こう【一向】
[名]「一向宗(いっこうしゅう)」の略。 [副](「一向に」の形で用いる) 1 全然。まったく。「何を言われても—に動じない」 2 (あとに打消しの語を伴って)ちっとも。少しも。「—に存じま...
いっこう‐いっき【一向一揆】
室町・戦国時代に近畿・北陸・東海地方に起こった一向宗(浄土真宗)門徒の一揆。僧侶、門徒の農民を中心に、名主・地侍が連合して、守護大名・荘園領主と戦った。加賀一揆のように一国を支配したものもあった...
いっこう‐しき【一向式】
[形動][文][ナリ]《「しき」は副助詞》まさにその状態そのものであるさま。まったく。まるっきり。「此娘(このこ)はズー体ばかり大くッても—なお懐(ぽっぽ)だもんだから」〈二葉亭・浮雲〉
いっこう‐しゅう【一向宗】
《一向(ひたすら)に阿弥陀仏を念ずる宗派の意から》浄土真宗。主として他宗派からの呼び名。一向一念宗。門徒宗。
いっこう‐せんじゅ【一向専修】
ひたすら一つの修行、とりわけ念仏に励むこと。
いっこう‐せんねん【一向専念】
ひたすら念仏すること。「ただ一念、仏になるを—といふなり」〈一遍上人語録・下〉
ひた‐すら【只管/一向】
[形動][文][ナリ]そのことだけに意を用いるさま。もっぱらそれだけを行うさま。「—な思い」「—に弁解する」 [副] 1 ひとすじに。いちずに。「—研究にいそしむ」「—無事を祈る」 2 まっ...
ひた‐ぶる【頓/一向】
[形動][文][ナリ] 1 いちずなさま。ひたすら。「—な態度」「—に思いを寄せる」 2 完全にその状態であるさま。「—に煙にだになし果ててむと思ほして」〈源・夕霧〉 3 向こう見ずなさま。また...
ひたぶる‐こころ【頓心】
いちずに思いつめた心。また、容赦なく自分を通そうとする心。「盗人などいふ—ある者も」〈源・蓬生〉