世(よ)を知(し)・る
1 世情に通じる。また、男女の情を理解する。「命あらばいかさまにせむ—・らぬ虫だに秋は鳴きにこそ鳴け」〈千載・秋中〉 2 国を治める。世の中を統治する。「—・り給はむにもいとめでたき御心もちゐを...
世(よ)を捨(す)・てる
俗世間から離れて暮らす。隠遁(いんとん)する。また、出家する。「—・てて仏門に入る」
世(よ)を背(そむ)・く
「世を捨てる」に同じ。「—・く宿にはふかじあやめ草心のとまる妻となりけり」〈拾玉集・一〉
世(よ)を尽(つ)く・す
一生を終える。「白波のよするなぎさに—・すあまのこなれば宿も定めず」〈新古今・雑下〉
世(よ)を遁(のが)・れる
俗世間から離れて隠れ住む。また、世を捨てて出家する。「—・れて庵を結ぶ」
世(よ)を離(はな)・る
「世を遁(のが)れる」に同じ。「かく—・るるさまにものし給へば」〈源・夕顔〉
世(よ)を憚(はばか)・る
世間に遠慮する。世間との交わりを避ける。「—・って隠れ住む」
世(よ)を張(は)・る
見えを張る。外観を繕う。「灯火(ともしび)の消ゆるまで—・るこそうたてけれ」〈浮・椀久一世〉
世(よ)を響(ひび)か・す
世の中の大評判となる。「名横綱の名が—・す」
世(よ)を◦経(へ)る
1 長い年月を経過する。「—◦経て残る傑作」 2 男女の情事を経験する。「女のまだ世経ずと覚えたるが」〈伊勢・一二〇〉