こな‐ひと【此な人】
[代]《「ここなひと」の音変化。近世上方語》二人称の人代名詞。おまえさん。「—、何いやる」〈浄・油地獄〉
こなん
[代]《「こなさん」の音変化》二人称の人代名詞。あなた。おまえさん。「—一人が先立ってながらへ物を思へとか」〈浄・博多小女郎〉
これ‐さま【此れ様/是様】
[代]二人称の人代名詞。あなたさま。「わが名ゆかしきあづま屋で—のしのびね」〈浄・淀鯉〉
こんた【此方】
[代]《「こなた」の音変化》二人称の人代名詞。おまえさん。「—の言ふ事があたり申さない」〈滑・膝栗毛・初〉
ご‐し【吾子】
[代]二人称の人代名詞。親しみをこめて同僚を呼ぶ語。あなた。きみ。「—はもとより武門の人なり」〈鶉衣・贈或人書〉
ご‐じぶん【御自分】
[代] 1 反射代名詞。会話の相手または第三者自身をさして、敬意を込めていう語。「お言葉ですが、—はどうなんですか」「社長が—で運転なさるそうです」 2 二人称の人代名詞。江戸時代、武士階級の男...
ご‐ぜ【御前】
《「ごぜん」の音変化》 [名]貴人。または、貴人の座前。「えびすの—の腰掛けの石」〈虎明狂・石神〉
[代]二人称の人代名詞。婦人に対して用いる尊敬語。「や、—、—、と言ひけれども音もせず」〈...
ご‐ぶん【御分】
[代]二人称の人代名詞。同等またはやや目上の相手に対して武士が用いた。あなた。そなた。ごへん。「—が勘当をも申し許してみん」〈曽我・七〉
ご‐へん【御辺】
[代]二人称の人代名詞。対等またはやや目上の相手に対して武士などが用いた。そなた。貴公。貴殿。「—は故刑部卿忠盛の子でおはせしかども」〈平家・二〉
さん‐にんしょう【三人称】
文法で、人称の一。話し手(書き手)・聞き手(読み手)以外の人または事柄に関することを示すもの。「彼」「彼女」「これ」「それ」「あれ」「どれ」など。日本語では代名詞についてだけいい、また西欧語では...