む‐ふんべつ【無分別】
[名・形動] 1 分別がないこと。思慮がなく軽率なこと。また、そのさま。「年がいもなく—なことを言う」 2 仏語。物事を区別して考えないこと。また、妄想を離れていること。
むふんべつ‐ち【無分別智】
仏語。相対的な主観・客観の分別を離れた真実の智慧。識別・弁別する分別智に対して、それを超えた絶対的な智慧をいう。
むよ‐ねはん【無余涅槃】
仏語。煩悩を断ち、分別を離れ、肉体をも滅しつくした悟りの境地。生存の根源を残さない境地。⇔有余(うよ)涅槃。
目(め)が無(な)・い
1 夢中になって、思慮分別をなくすほど好きである。「日本酒には—・い」 2 物事のよしあしを識別する力がない。「本質を見る—・い」 3 よい機会や可能性がない。「優勝の—・い」
目(め)眩(く)・る
1 目まいがする。目がくらむ。「見るに、—・るる心ぞする」〈かげろふ・上〉 2 分別に迷う。「欲に—・れ、訴人せしを」〈浄・烏帽子折〉
もう‐じゅう【盲従】
[名](スル)分別なくひたすら人の言うままになること。「権威に—する」
もう‐どう【妄動/盲動】
[名](スル)考えもなくむやみに行動すること。分別を欠いた行動。ぼうどう。「軽挙—」「千差万様な人間をば、一様に—させる運命の声」〈荷風・ふらんす物語〉
沐猴(もっこう)にして冠(かん・かむり)す
《「史記」項羽本紀の故事から》猿であるのに冠をかぶっている。見かけは立派だが、心が卑しく思慮分別に欠ける人物のたとえ。地位にふさわしくない小人物であることのたとえ。
もの‐ごころ【物心】
世の中の物事や人間の感情などについて理解できる心。分別。「—が付く」
やく‐ぢえ【役知恵】
長く役目についていた経験から得た分別・才覚・知恵。